ON THE TOWN@青山劇場 だらだら全曲感想(1幕)

1944年の作品である「ON THE TOWN」。「踊る大紐育」という邦題で映画化もされた名作で、ウェストサイド物語のレナード・バーンスタインが若い頃に作ったミュージカルの元祖だ!とまあそんなふれこみの今作。なぜかここ最近トニ関係のミュージカルは数十年前の作品だったり実は元祖だよーといった名作掘り起こしが多いですよね。やらせたくなるのかなあ。このオン・ザ・タウンはブロードウェイでも同時期にリバイバルされるようで、むこうのTV番組とコラボしたりけっこう気合い入ってそうです。
ほんとうに70年前の作品なので一周まわって逆に新鮮、品の良さがあっておもしろかったー。正直古くさいのかな? と見る前にちょっとかまえていったんだけどそんな必要はありませんでした。BW版の劇評とかにも「Classic musical」「Classic Broadway Show」と何回も出てきていたとおり、ちょっと昔の雰囲気を楽しむというか、いまと違う時代のおおらかな華やかさに浸れば良いって感じです。
 
まあそのー、すごく自信をもってミュージカルファンの方に勧められるかというと、やっぱり坂本さんはともかくとしても長野さんとかね、本職の方とはお歌のできとかも違うだろなと思うわけですが(いや実際スーパーうまくなってるんだよほんと)、水兵さんの仲良しさとトニセンの仲良しさがリンクするキャスティングの力技で問答無用に楽しくかわいく平均水準以上に仕上がっている幸せな作品だと思います。だって、全員がうまくてもなんかかみあってないな、という作品もあるじゃない!博の出演するミュージカルはいつもチームワーク賞なんだよ!
トニセンファン的には一言であらわすと、お祭り騒ぎでしたね…。私もなぜか期間中常に興奮してて…。3人がそろって舞台に立ってるだけで幸せだったんだよ…。これで青山劇場に行くのも最後かなあという気持ちも相まって期間中会った方々にはなんかテンションの高い人と思われたかもしれません…すみません…。毎年1回は必ず行っていた劇場だからさびしいし、改めて通ってみると座席のどこからでも見やすくて良かったなあと思います。
 
この先はだらだら曲や場面の感想です。ほぼ「かわいい」と「好き」しか言ってない。
 

 

・オーバーチュア

割と長い!暗くなるまでおしゃべりしてても大丈夫です。
 

第1場:ブルックリンの海軍造船所

・まだベッドにいるみたい
ここ造船所だったのか!造船所で働く人たちが歌ってます。
 
・ニューヨーク、ニューヨーク
3人の水兵さんがとび出て来て「ニューヨークニューヨーク〜やっと来たんだ」と歌う場面は一番有名どころ。最近だとABC座でもえびが演じる初代ジャニーズがニューヨークに来た場面で歌われてたり、プレゾンMASKでもちょっと歌われてたりします(ニッキの入浴シーンで)。SHOCKでニューヨークに着く場面で別のニューヨークニューヨークが歌われてたのも、これのオマージュなんじゃないかなと思わずにいられません。2004年SHOCKには「ブロードウェイ・メドレー(On the town)」って場面があるし…。(何をやってたかは覚えていない…)
 
3人同じ振り付けで出てくるんだけど、チップだけガイドブックを持ってるので、ダンス大変じゃないのかなーと思ってみています。3人だけのかわいさを一番堪能できるのがこの曲かも。V6担としてはしょっぱなから心つかまれます。なんというかとても感無量でした…。そして意外とセンターとってるチップ。「地下鉄にも乗らなきゃ」で3人つり革つかむ振り付けが好き。
 

第2場:地下鉄の車内

この地下鉄のセットがめっちゃSHOCKぽい!*1 ゲイビーの初恋の女の子のことを話したあと2人の「中1のときの?」という反応のおさななじみ感すごい。あとここはわりとわちゃわちゃポイントが多いです。自分をからかうオジーの腕をひねるゲイビー「降参か? 降参か?」「降参降参!」か、かわいい…チップが熱心に覗くガイドブックをオジーが何度も取り下げてそのままドスドスとお腹にパンチ入れあったりしているのもかわいい…ミスサブウェイのポスターを取る前オジーが何か言ってることにゲイビーとチップが目配せして笑い合ってるのもかわいい…。
 
ガイドブックのくだりは本人たちから、申告がありました。
井ノ原「長野くんがガイドブックいつも見るから、見んじゃねえと、そんな古いヤツ恥ずかしいからやめろと、セリフじゃないけどやってたりしてんのよ俺はね、そしたらなんか俺の乳首つまんできたりとかするわけ!『やめろよ』(と言ったりする)」
長野「そしたらさあ、そしたら(井ノ原は)下さわってきた!!」
井ノ原「あはははははははは」
坂本「ごめん、ごめん、どっちもどっちだよ!!」*2
これはwwww「www」を使ってしまうわこれはww「チップとオジーは船の中ではそういう、近い関係性があるんじゃないかなあっていう」「緻密な計算があるわけよ」と言い訳してました。
 
チェイス・ミュージック
ゲイビーが地下鉄のポスターを取ったのでおばあさんと警官が3人を追いかける。なんかアメリカのアニメのアイキャッチ的な演出です。
 

第3場:ニューヨークの通り

・ゲイビーのお通りだ
「ゲイビーのために女の子を捜してあげよう!」と提案するのがオジー、本当は観光にいきたかったけど断念し計画をたててあげるのがチップ…このトニセンぽさよ。ここでチップとオジーは酒浸りだったところをゲイビーに救われて海兵隊に入れた、という背景がさらっと説明されています。V6ファンならトニセン自体が学生のころから一緒だったことや、坂本さんがリーダーとなって引っ張ったことなど思い出してなにげにぐっとくるシーンかもしれないよ。オジー「俺たちゲイビーに救ってもらわなかったらただの陽気な3人組だったんだぜ!」って、ずっと3人組だったのか〜。オジーが「な〜ゲイブ!」と呼びかけるところではトニコントを思い出し(「な〜尾藤さん、あまちがった坂本君!」)、「おいチップ」と肩組むところではプロデューサーズを思い出す。
 
見所は女の子達に「やあ君はおいしそう食べちゃいたくなる♪」と歌う井ノ原快彦(既婚者)。そして忘れちゃいけないここもチップとオジーのわちゃわちゃポイントでして、肩組んで腰をぶつけ合う振りがだんだんエスカレートしてチップががんがん腰骨をオジーにぶつけたり、オジーがチップの胸をわっしわっし揉んだり、オジーがなんかしようとしたらチップがにやっとして2人目を合わせて固まったあとオジーがばしっとチップのこと叩いたり、まあとにかくかわいいわけですよ。詳細に観察しててすみません。だってかわいいんだもん。
 

第4場:ミス・サブウェイ授与式

・ミス・サブウェイ授与式
ミスサブウェイとなったアイビィの状況。けっこうここでがらっと雰囲気変わるんじゃないかな〜。真飛さんのスタイルの良さとキュートさやばいです。いろんな男に言いよられてちやほやされアイビィのダンス、兵隊っぽい振りや乗馬っぽい振りがでてきて足ながーーと思います。
 
チェイス・ミュージック
また地下鉄のおばあさんが追ってる様子が出てくるのですけど、そのおかげで直前のアイヴィーのダンスに拍手を入れる隙がないので、なんとなく不完全燃焼です。拍手してもいいと思うんだけどな〜。この場面転換時にチェイス・ミュージックが入ってくるところで、テンポが現代ものとちがうため最初戸惑うかもしれないですね。慣れるとそういうもんか…となってきます。
 

第5場:タクシー車内

・部屋においでよ
タクシー運転手のヒルディー、明日からクビだーと言われて最後の客はイケメンがいいわ〜と物色しているところに現れるチップ。チップってイケメン設定なの?「とにかく顔が好み!あけっぴろげでなんていうか…わかる? 頭が空っぽってこと!」きょとん顔のチップかわいい。そしてキスシーン!ガン見してしまいましたがぶっちゅーといってますね!!「あのね、今日中にやらなきゃいけないことがあるの」「行くよ」のちょっとあきれた言い方が好きですチップ。本名ジョン・オーヘンブロック? がなぜあだ名チップになるのか教えてください。
 
チップの歌的には最大の見せ場ともいえるのですが、個人的にはハラハラポイントだー!!低いキーで早口、一生懸命しゃべってるみたいでかわいいはかわいいんですけど…。またこの歌のテンポもけっこう難しいし、ニューヨークの事情に詳しくないので笑いづらいというなかなかの難所です。 博の動き、コミカルにしようとして力はいりすぎ「演技してます!」というのが全面に出ているので、もうちょっと重力に身を任せる方がいいのでは…と思うのですけど〜。いっそハンドルを持って客席を走らせたりしてもよかったんじゃないかなーとか思ったり。BW版は客席降りあるらしいんだもん〜ある意味観客がきゃっとなるのを利用できるし、NY内をタクシーで走ってるかわいさは伝わるしな。でもだんだん余裕が出て来たようで、良くなっていってると思います。シルビア様の歌声は完璧すばらしいです…。ただヒルディーってけっこう普通の肉食系女子だからオジー&クレアのように笑いに持っていきづらくはあるのかもなあ。いやみがなくてかわいくて好きなカップルなんですよほんと。私だけがハラハラしていたのだろうか…!?博ファンだから!?
 
チェイス・ミュージック
タクシー会社の上司が加わった!
 

第6場:自然史博物館

・夢中になるの
・夢中になるの・アンコール
 
ピテカントロプス(北京原人)とそっくり」という設定をうまく活かせるアイドル・井ノ原快彦。役を自分に近づける系なのでもうオジーがほぼコントの井ノ原さんにしか見えない!(ほめてますほめてます) とにかく笑えるシーンだし「夢中に〜夢中に〜」とずっと頭から離れなくなること間違いなし。「冷静になろうとしても夢中に〜頭がどうかしてしまう〜」ってこれジャニヲタ的にもあるあるな歌ですね。パンフ読むと博もいのはらの表情に「この顔!」って思ってるそうだから観客も「この顔!!」とつっこんでよいかと思います。「ピン!」って顔のとこでどうしても吹き出す。あとダンスも完全に井ノ原快彦。レディースだと11号ということになっているのも井ノ原快彦? 躊躇なくおしりに顔をうずめるので遠慮なく笑えます。でも「順番守れええええ」はかっこいいよ。
 
SHOCKぶりの樹里さんは林家パー子ばりに叫びながら暴走する様子が本当に面白くて、こんな女優さんだったの!?と驚きました!当たり前だけど歌うまーー。
 
【10月13日昼】
井ノ原さん歌詞飛ばすハプニング!ふたりとも音楽にのって身体は軽快に動き続けながら顔を見合わせ「…」と無言に。キョトン顔の井ノ原さんにむかって樹里さんがねっねって顔で「…バーゲンセール(行くのよね? と言ってたかな覚えていない)」「あれもこれも…」と促すと井ノ原さん「…よくつないでくれたねえ!!」客席の手拍子に「ありがとー!」でちょっとずつ振りを取り戻していき、「自分でお店をひらけるほどさ!」で完全復活していました。ほんと面白かった。「判断力も著しく下がる♪」も全然歌えてなかったけど2段くらいはさげてましたよ。
 
チェイス・ミュージック
博物館の恐竜博士が加わった!
 

第7場:ニューヨークの雑踏

・ロンリータウン
ゲイビーの寂しい歌。坂本さんの本領発揮というところで存分に美声を響かせております。あまりに世界観にしっくりきすぎて、これはクラシック作品やらせたくなるよね歌いあげてほしくなるよねと思いました。「ゲイビーの〜〜(強め) お通りだーぜーー…(消え入るように)」の強弱のつけかたよ。
 
・ハイスクール・ガールズ
・ロンリータウン・パ・ドゥ・デュ
・ロンリータウン合唱
この「ロンリータウン・パ・ドゥ・デュ」でいろんなカップルの様子を見たことが後の淫夢につながるむっつりゲイビー(たぶん)。街灯がつくまで公園でしょんぼりしてたゲイビー。
 

第8場:カーネギーホールの回廊

アンサンブルの人たちの小芝居が多くて最初はとまどったんですが(すみません)いろんな人がスターを目指してるんだなーて感じで効いております。強気ゲイビーはなだぎ武似!アイヴィーはゲイビーが「24時間しかいない」ことを聞いて、それなら自分の裏の顔(エロいダンサー)がばれない、高嶺の花のミスサブウェイとして接してもらえると思ってOKするんですよね。「24時間限りの出会い」をポジティブにとらえてるけどよく考えるとちょっと切ない気もする。
 
ドッドレド〜ドレミド〜ドレミファドレミファソッソファソ〜♪ ここで真飛さんに担降りする人がいるんじゃないかと危惧する。足長いしキュート!
 

第9場:クレアのマンション

・わかるよ(ワンコーラス)
・夢中になるの・リフレイン
もはや第4のトニセンじゃないかと思う青山さん登場。「泡で鼻がしゅわっしゅわする」の意味を教えてください…。

第10場:ヒルディーのアパート

地下鉄に電話しながらヒルディーに誘われたことであっさり「そうだよねえ、つくしたよねえ」とミスサブウェイ探しをあきらめるチップ!「そうだよねえ」「まートライはしたんだし☆」の言い方かわいすぎか!ヒルディーが食材を「床に置いて!」というのは、ソファであれやこれやしたかったからですね。ソファでの1場面でまたプロデューサーズを思い出すんだよ。
 
・料理もできるの
・料理もできるの・アンコール
ヒルディーのソロ。力強くかわいくとても好きです。チップは歌わずダンスに専念。クッションをぎゅっとするのがかわいい。力入りまくってるのでもうちょっと自然にしてくれても…と思ったりもするものですけどこういうコメディちっくな動きが欧米とかでは大喜びされるのかもしれない(イメージ)。笑顔でさらっとバナナを股間にあてる博に全博担が震えた!床でもだえるチップ、よつんばいチップ…何をしててもお尻がぷりぷりしすぎてて、今まで人がけつけつ言っても「それほどではないだろ〜」と思っていた私もびっくりしました。野球選手みたいな!でも私はけつ担でなくデコルテ担です。 
 

第11場:タイムズスクエア

・自分のままで
・自分のままで BGM
「自分でいてよかった」って歌詞がいいですよねここ。幸せそうなゲイビーがいろんな人にジュースやら何やらわけてあげる素敵なシーン。
 
タイムズスクエア・バレエ曲
タイムズスクエア、ネディックスの店」というのがあのジューススタンドだとけっこう長い間気づかなかったー。アイビィの振りするヒルディーとクレア、クレアが「何もかも投げ捨ててきたわ〜」と言ったあと、オジーが捨てたものをキャッチするパターン、キャッチしてまた投げ捨てるパターン、キャッチしてぐるぐるにするパターンなどがありました。あとマダム・ディリーとゲイビーが話している間に雑談している4人かわいい。ジュースジュース!
 
水兵さんがたくさん出て来て踊るとこ、ロシイノも入ってて好きな場面ですこれ。ベルキックというのか? 空中で足を打ち鳴らすところ、足をあげながら円になっていくところなど、アンサンブルのダンサーさんしかやってくれないのかなと思っていたのでうれしかった。ゲイビーは真ん中にいるから水兵群舞はしないんだけど、チップが輪から出てきたときむかえてそのまま二人が背中に手をまわしあうんですよね〜!この2人の関係性がほんと坂長っぽい。オジーがゲイビー大好きなのも坂イノぽいし、チップとオジーがわちゃわちゃしてるのもとてもロシイノぽい!なんなんですかON THE TOWNは!
 
そのあとステッキで踊るチップ、振りがなんかかわいい。博担で集まったときいっせいにここで口が半開きなんだ!!とつっこみが入っていました。振り付けのビルさんは3人がジャニーズアイドルだって知っていて、「客席の女の子達が満足するようにかわいく踊るんだ!」と言っていたそうで、ここらへんのことかなー? と思いました。イノロシがやってる、手を上でぱちんってして足をあげて一回転するやつはなんかこれで正しいのかな…と疑問に思いつつにやにやしながら見ています。

*1:東宝舞台さんだから?

*2:V6 NEXT GENERATIONJFN/2014年10月18日