V6 Concert tour2011 Sexy.Honey.Bunny!

よかった…んですよ。


よかった…よなあみんな!!


私ものすごくべたぼめしてるんですけど、本当に本当に、良いコンサートだった。会場のすみずみまでゆきとどいた演出、照明効果、360°ステージにした意味を最大限に発揮していた。そしてなによりフォーメーションの美しい6人のパフォーマンス!横アリではさらに生バンドまで加わって、本当によかったの。と私が友達に言ったときに、きかれたのです。


「でもさ、それはまわりのスタッフがよかっなんじゃないの?スタッフを集めた人がよかったんじゃないの?」


うおーー違う!と思ったけどなんか反論も難しい…。たとえばジャニーズはみんな自分たちでコンサートの骨子を作ってるんだからーと言うのは簡単なんだけど。今回のコンサートは、誰が演出アイディアを考えついたからえらいとか、そういう問題じゃないという気はする。全体に通じている「会場のファンを楽しませる」という気迫の真ん中に6人がいて、そっからパワーが出ている感じ。どんなやり方でコンサートを作っているかとか、裏にある話は、本当に会場にだけいる人には関係ないでしょう。でも、確実に6人が真ん中で発しているパワーを客席(自分も含めて)もわかってるんだと思ったのです。そうでなければあんなに会場全体が「ハマる」感覚は味わえなかっただろうなあ。


とはいえ、なんだかとても抽象的な感想になってしまった&実際6人が関わっている部分も大きいと思うので、いろいろな雑誌やパンフレットやラジオやらの発言と実際の演出をちょっと比べてみようかなと思います。少しずつ書いてたので、スーパー今更な話になってしまった…。もうコンサート終わって1ヶ月たつよ!

◆360°ステージ

まず、大きかったのはこれですよね。メインステージが真ん中にあり、そこから6方向に花道が伸びているスタイル。V6としても久しぶりの試みだったとのことで、メンバーから何回も話題にあがっています。

・このステージだからこそできたこともあったし、みんなで悩んだけど、やってよかった。(長野/TV STATION22号)
・どの席からも楽しめるということを意識した見せ方(長野/ツアーパンフレット)
・前やった時はJr.がいたけど、今回は6人だけで360度ですからね!打ち合わせの時に1回やめやめ!ってなったけど、やっぱりまた戻したなんてこともありました(井ノ原/MC)
・照明をどうするか?映像が背負えないぞ。これはいいけど、これがだめ。悪いところの方が多いから、結局(これまでは)180度のステージを取ったんだけど、今回はぜんぶ無視しようと。あれなくして、僕らの来年はないな、と思った。(井ノ原/Next generation 9月3日)
・なんかこう映像だよりになりがちってのもあるからあえてそれをなくして360度でやるのか、でもそれでもやっぱり制限されることが360度だと多いから、180度でやるのかみたいな事で、まぁ物議を醸し出してるわけなんですけども(三宅/三宅健のラヂオ 6月22日)

センターステージがメインだったわけですが、本当にめまぐるしくくるくる立ち方向を変えて、どこで見ててもそんなにストレス感じなかったですね〜。動き方が細かい細かい!!特に横浜アリーナは、会場がオーバルだったし美しい360度でした。この曲のこの歌詞ではこちらを向く…とかなんで覚えられるんだろう。全方位を向こうとすると、自然にできるものでしょうか。私が印象的だったのは「OK」。一筆書きで6人が全部の花道を踊りながらまわっていて、カッコイイとしか言いようがない。近くに来てくれる、だけでなく、近くにパフォーマンスを見せに来てくれるんですよ。

・トータルのイメージのアイディアは、剛が出したんですけどね。(坂本/ツアーパンフレット)
・6人の力がじわじわ集まってくるイメージ。(森田/ツアーパンフレット)
・セットも同様にパワーが1カ所に集まる雰囲気のもの、あとは家具っぽいものとかを提案しました。(森田/ツアーパンフレット)


6本の花道とセンターステージ…という構成は、6人がそれぞれの花道に散らばったり、センターに集まったり、物語性を感じさせました。特にOPの「WILL」は6人が6方向から出てきて、歌って踊りながら真ん中に結集していく姿はちょっと荘厳と言ってもよかった。

◆ダンス!

とにかく踊りまくってましたね〜!!あの、20曲くらい踊ってたんですよ。すごくない?ジャニーズといっても、普通はもっとお手振りコーナーがあったりバラードがあったりするもんですけど。「V6はダンスグループだから」っていう坂本君の言葉を思い出したり。

・「こんなに踊ってるのV6くらいですよ!って言われて、そうなの?って」(井ノ原/MC)
・昔より振りが細かくなってて難しいからね(井ノ原/MC)
基本的に自分たちが、これ以上いったらはいちゃうんですけどっていうくらい踊って、そのぐらい踊ってファンの人にはちょうど良いんというか、満足度が満たされるっていう事だと思ってるんですよ僕は。(三宅/三宅健のラヂオ 6月6日)
・映画の撮影とコンサートの練習がぶつかったから、ホテルで振り付けのビデオを見ながら練習したけど、みんな今までよりまじめに踊ってくれてた(笑)(岡田/MC)


健ちゃんはわざわざメンバーにBIGBANGのライブを見せて、その意図をプレゼンしてるっていう。すごい行動力。もちろん、お手振りとかも嬉しいですし、それだけが正解とは思わないけど、今回のコンサートを見てすごくよかったなあと思いました。

・(振付師のなかに三宅さんがお願いしたかったダンサーがいるという話)世界的に活躍されているs**t kingzというダンスチームのみなさんです。(三宅/ツアーパンフレット)


体の使い方やフォーメーションが独特なひとたちだって!「SP」「悲しいほどにア・イ・ド・ル」の振り付けがこの人たちだそうですが、たしかに「SP」圧巻だったもんなあ。見るごとに一番スゴイの「SP」じゃね?と思うようになってたんですよ。また、「OK」「Will」「Sexy honey bunny」は共通の振り付け師さんだというし、「You know?」はサンチェさんだというし、「supernova」で見せてくれたポールダンスには驚かされたし、多彩なダンスを見せてくれたなあ。一列にならぶフォーメーションが何回か出てきたんですけど、その列の美しさ!「Air」で3人3人が真ん中で背中合わせの一列になって、踊りながら弧を描く部分(Dメロ?前のらぶはずねばごんべいべ♪)、Ready?コンでは時々ばらっとしていたものが今年はずっと一糸乱れぬ感じでしたもんね。なんで合うの?あれ。

・ブワーって騒ぐコンサートも楽しいんだけど、僕たち16年の歴史があるわけだし、ファンのみなさんにも。騒ぐだけじゃなくて、見せるシーンが必要になってきて、それもちゃんと見てくれるんじゃないかなと。(坂本/Next generation 9月3日)


そう、16年たって、ファンも「受け入れる」体勢にあるというのは大きいのかなとも感じました。

◆B面ばかりのセットリスト

ほとんどのシングルと定番曲を外した、カップリング曲・アルバム曲だらけのコンサート。V6ファンですら「これ持ってたっけ!?」って振り返ってしまうほどの。思い切ったなあ。正直、最初にネタバレでセットリストだけ見たときは「この選曲では他担さんなどが来て楽しんでくれるだろうか…」勝手に心配したのですが、全然よかった。曲知らない人にも通じるか…と思ったらやっぱり玄人ジャニヲタ向けな気もしないではないが、いやいややっぱりコア層が「よかった!!」って言うようなコンサートじゃないと、薦めたくもならないじゃないですか!

・みんなが知っている曲が少ない分、ただ歌うだけじゃなくて、そこに今までとは一味違う演出や振り付けを入れて、より視覚に訴えかける見せ方になっていますね。(坂本/ツアーパンフレット)
・求められるっていうのがあるから、それを提示していくのが僕らの仕事なんだけど。『こんなのも、あるんですけどね』っていうのも、やっぱり、長くやっていくうえで、あってもいいかなと。(井ノ原/Next generation 9月3日)
・毎回毎回何度も提示してるんだけど、ことごとく、そのはじかれてるっていう案があって。僕はBサイドコンサートをやりたくて、全部カップリング曲とか、アルバムの中の曲とかマイナー曲とか、シングルじゃないやつね、だけで構成されたコンサートをやってみたくて
今回は僕は前回のコンサートがシングルオンパレードだったから、まぁ今回少なくても良いんじゃないかっていう提示をして、まぁ、何となく今その方向で少しずつ進んでるけど (三宅/三宅健のラヂオ 6月22日)

B面ばかりだからこそ、曲を知らないで来た人にも楽しんでもらえるように…というのがダンスにもつながっていたりして。あああ、攻めている!!そして改めて健ちゃんのプロデュースセンスってすごい。

◆柔軟性

新しい試みがあったからか?大きなハプニングが話題になったコンサートでもありましたね。代々木ではステージセットが動かなくなった。石川では、全然ステージが見えないブロックがあった。どちらも私は見ていないのですが、その場でいったんコンサートを中断して、客席に説明して、対応策をとってくれたんですね。この柔軟性。

・ステージ真ん中のリフトが上がったまま、下がらなくなっちゃって。次の曲に行かないで一回泊めて、リフトをちゃんと点検して確認できるまでトークして……ああいうことは今までやってきて初めてかもしれない。(長野/TV STATION22号)
・ちょっと気になったんだけど、そっち見えてる?気づいちゃったからさ。(井ノ原/コンサートを中断して)
・そうそう。ホワイトボード置いておこうっていって、ハケた時に気づいたこと書こうって。俺と長野くんは、同じこと書いていたね。長野くんの声が抜けないから、音がどうのこうの。(井ノ原/Next generation 9月3日)
・照明のタイミングが1拍遅かった、とかすぐにスタッフと話合って。(三宅/POTATO だったような…)

けっこう会場の反応見て変えてくるってジャニーズの伝統だと思うんですが、今回曲をまるまるかえて来るとかそういうのはなくって、細かい演出の部分とかだったりして、それだけセットリストは完成されてるんだなと思いました。*1



しかしこうやって振り返ると、アイドルとは?アーティストとは?というところへの疑問もちょっと感じますよね。V6のファンって、やっぱり彼らのパフォーマンス性を誇りに思ってる人も多いし。でも、ファンは彼らをアイドルだと思って受け止めてるし、彼ら自身も自分達をアイドルだと思っている。大体、V6をかっこいい!って思うなかに「ライブパフォーマンスの完成度」とか「仕事にかけるプロさ」とかが入ってくるんですもん。*2彼らが、自分達が知らないかっこいい世界を見せてくれると思うから、キャーキャー黄色い声が出るし、好きになるんですよね〜。だからこそ彼らからも「毎年進化する姿を見せたい」とか「ここで360°をやらなきゃ、来年はない」とかいう言葉が出てくるわけで。もはやV6は、成長していく過程を望まれてはいなくて、完成→革命、の繰り返しを求められている。KinKiとかもそうだと思うし、30こえたアイドルグループって、おそらく本人たちもしんどいでしょうけど、10代のグループよりもなまなましいかっこよさなんだよなあ。

*1:まあ最近で曲ごとかえてくるようなことはあんまりなかったですけども

*2:ほかのジャニーズグループでもこういう要素大きそうです