長野博Jr.時代 (13) 1995年前編・ここへ来てまさかの付き人

だいぶあいてしまってすみません。11月1日までのつもりだったから糸が切れてしまいまして…。ついに1995年、デビューか?と思いきや、付き人になってる長野さんです。

・主なできごと

3月 岡田准一入所
4月 滝沢秀明今井翼、屋良朝幸入所
10月 櫻井翔入所
11月 V6『MUSIC FOR THE PEOPEL』でCDデビュー

・世間のできごと
阪神淡路大震災地下鉄サリン事件Windows'95発売

・トニセンのできごと

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長野さん、1995年になると内海さん・植草さんの付き人を経験しています。よく坂本さんの付き人経験とひとくくりにされるのですが、実は全然別の期間なんですよね。坂本さんが付き人をしていた期間は1992年〜1994年ごろ(推測)、長野さんは1995年。「学校も卒業してしまったし、仕事もないのならもったいないから勉強がてら付き人でもしたら」というのが経緯だったそうで*1、もしかしたら坂本さんの前例が良かったから話が来たということもあったのかもしれません。しかし、ちょっとずつのぼりつめてきてここで付き人とは…。

なんとなく流されがちな長野さん付き人期は結局いつだったのか。2月には『二人でお茶を』という舞台で内海さんと共演していますが、こちらはちゃんと役があったので、付き人ではなかったのかなという気がします。長野さんはサミーというちょっと女性っぽい男の子の役で、初めてタップを披露しました。終演後、事務所の人に「次の舞台も決まっているから」と言われて、ガッツポーズをしたために、観劇にいってその場に居合わせた井ノ原さんが「この人ハングリーだな」*2と思ったとか。このエピソードも別バージョンありまして、ラジオで井ノ原さんが語ったときはTOKIOの武道館LIVE(1月)で事務所の人に言われていた…ということになっています。「良かったね、長野くん」と言いながらも「大変そうだな」*3と思ったそうです。

名古屋生活

確実に付き人をつとめていた『女の言い分』では、公演中の1カ月間名古屋にいて劇場に通っていました。朝、内海さんを起こしてあげたり、楽屋の胡蝶蘭に水をやったり、掃除や洗濯をしたりしながら勉強をしていたといいます。ほとんどエキストラみたいな形で出演もしていたため、舞台中は「ここは横にはいられません」と断っていたそうです*4名古屋駅から劇場までは内海さんのファンがいっぱい、それをかきわけて通っていた長野さんは、「テメーどけよ」と言われて「自分も出てるのに」とカッとなった…と後に語っています*5。更には、内海さんの知り合いの分のチケット手配もしていた*6というのだから驚きますね。
名古屋という縁のない土地で付き人として1カ月過ごす長野さんにときどき電話をかけてきてくれたのが井ノ原さんでした。仲の良い長野さんが長期間いなくて寂しかったのか、マメな性格からか…「どう?」「がんばってるよ」という会話*7を想像すると目頭が…。

同時期の坂本さんは舞台『魔女の宅急便』に出演。これは長野さんが93年に出た舞台の再演ですが、そのときに元SMAPの森さんと元光GENJIの赤坂さんがやっていた主要キャラ・トンボ役を演じているのだからすごい。もしそのままデビューしていなかったら、主役をはれる舞台系Jr.の草分けとなっていた可能性もあったのではないでしょうか。演出の蜷川幸雄さんは厳しいことで有名でしたが、マサはここでもマサで、「蜷川というオヤジに負けたらだめだな」と思って大きな声で挨拶をしたり、何か言われても同じ位言い返したりしていたのでした*8。このマサがデビュー後なぜ後輩に説教をするように…!?と不思議なのですが…根が自信家だから、上に対しても下に対しても強く出られたのかな、などといろいろ考えてしまいますね。マサ好きだよマサ。
ちなみに『魔女の宅急便』中日ホールと『女の言い分』名鉄ホールの場所は2駅くらいの距離…坂本さんと長野さんは、名古屋で2人会ったりしていなかったのでしょうか?公演期間もちょうど3月の1カ月間なんですよね。昔の思い出を主に語るのが井ノ原さんだからか、坂本さんと長野さんのJr.時代のエピソードってあんまり表に出てない感じがします。単純に、それぞれ忙しかっただけかもしれないけど。

事務所に内緒で舞台に立つ井ノ原さん

井ノ原さんはドラマ『STATION』(日本テレビ)にゲストで出たり、SMAP草なぎ剛さん主演の舞台『フォーティンブラス』に出演したりしています。このフォーティンブラスという舞台は後に長野さん主演で2003年に再演しており、観に行ったという方も多いのではないかと思います。井ノ原さんが演じたのは和馬といって物語のキーを握る重要な役で、長野版では関ジャニ∞村上信五さんがやっていましたね。また、田中美奈子&赤井英和主演、堂本剛がレギュラーで出演していたドラマ『セカンド・チャンス』(TBS)ではつよしさんの悪い先輩役としても出演するなど着実にキャリアを積んでいました。

私は…どうしても長野さんファンなので、坂本さん井ノ原さんがそんないい役をもらっているときに、ほとんど舞台にも立つことなく付き人をしていたのはつらくなかったのだろうか…と想像してしまいます。失礼かな。でも逆に、長野さんがSMAPの映画に出ていたとき坂本さんが付き人をしていたわけですし、それぞれ思うところは当然、あったのかもしれません。着実に良い役をつかんでいるように見える井ノ原さんも、このころ事務所に内緒で早稲田の劇研の舞台に立っています。しかも事務所での仕事が忙しかった井ノ原さんの代わりにアンダーをつとめてくれたのがあの堺雅人さん。

堺:あの、二人一役をやった…
井ノ原:あ〜そう
堺:あの、井ノ原くんがその舞台に出るけど、すごくお忙しいから、毎日は出れないので、イノッチの都合が悪い時に僕がアンダーで出てた
井ノ原:これね、堺さんこれね、けっこう内緒の話だったんです
(え〜!?ってびっくりするスタジオ)
井:いやそのときまだデビューしてなかったしぃ、ジュニアだったんでいいかなーと思って、早稲田の人たちがやってる芝居に出させてもらったことがあったんですよ
堺:あれは内緒だったんだ!?
井ノ原:全然いいんですけど〜、まあ、もう時効ですから大丈夫です、はい、はい
(略)
井ノ原:そん時ほんとに〜、お互いこうやって、後にね?芸能界でやっていくっていう感じではなかったんですけど、ねえ、よくこう…*9 

発覚当時の記事より抜粋しました*10。本当に、2人とも立派になってよかった…(むかしのこと知らないけど…)。

5月からは長野さん、『かたき同士』という舞台で今度は植草さんの付き人をつとめます。公演はまるまる1カ月、稽古期間中も含めたらけっこう長い。舞台には出ず、植草さんの飲み物や台本を持って横で勉強していたみたいです。カワイイ…。舞台が終わったご褒美としてお金か、釣り竿のどっちがいいかと聞かれたため「釣り竿」と答えてもらった上に、今でもその釣り竿を持っていると語っています*11。坂本さんのような長期間の付き人と違って、『女の言い分』で内海さんに、『かたき同士』で植草さんに付いたというのが実際のところだったみたいです。

1995年6月まで付き人をやっていた長野さん、本当にこのあとデビューできるのか…!?次回へ!続きます!

 

・これまでの記事

長野博Jr.時代 (1) 1986年・入所と初仕事 - over and over

長野博Jr.時代 (2) 1987年・光GENJIに引っかからなかった - over and over

長野博Jr.時代 (3) 1988年前編・初めてTV史に名を残す - over and over

長野博Jr.時代 (4) 1988年後編・栄光の平家派 - over and over

長野博Jr.時代 (5) 1989年・フェードアウト - over and over

長野博Jr.時代 (6) 1990年・トニセンが息してない - over and over

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長野博Jr.時代 (8) 1992年・2年半ぶりに、ジャニーさんからの電話 - over and over

長野博Jr.時代 (9) 1993年・KinKiのバックもお仕事 - over and over

長野博Jr.時代 (10) 1994年前編・TOKIOに入りたかった坂本昌行 - over and over

長野博Jr.時代 (11) 1994年中編・ジャニーズSr.結成? - over and over

長野博Jr.時代 (12) 1994年後編・V6絵コンテの謎 - over and over

・このあとの記事

長野博Jr.時代 (14) 1995年中編・メンバーによるデビューについての証言 - over and over

長野博Jr.時代 (15) 1995年後編・長野博のいちばん長かったかもしれない日 - over and over

*1:『今日は一日”ザ・少年倶楽部”三昧』NHK-FM/2012年6月17日

*2:『20th Century 「10」TONITEN』ぴあ/2005年

*3:V6 NEXT GENERATIONJFN/2012年4月28日

*4:『20th Century 「10」TONITEN』ぴあ/2005年

*5:『うたばん』TBS/1997年5月6日

*6:V6 NEXT GENERATIONJFN/2010年5月5日

*7:V6 NEXT GENERATIONJFN/2010年5月5日

*8:『20th Century 「10」TONITEN』ぴあ/2005年

*9:あさイチNHK/2010年12月10日

*10:ちなみにこの記事で触れている「個人的にトニのデビュー前年表を作成している」というのが今書いているコレの元となっております

*11:V6 NEXT GENERATIONJFN/2012年4月28日