3次元のおたくが号泣するミュージカル『ビリー・エリオット』

こいつ毎日Twitterで「ビリー・エリオット」の話してんな…うざいわ……等と思われるんじゃないかと思いつつも、まだ全然チケットが買える〜!こんなやすやすと観れるのに観ない人がいるなんて、どういうことだよ〜!!とじたばたしてしまうので、どこが好きなのかを振り返りたいと思います。堀社長はぜひおじさんにも見てもらいたいと思ってるらしいし、私もそれはぜひと思ってるんだけど、おたくとしてしか語れないから申し訳ない。やすやす買えると言ってももちろんだいたい埋まってるんだけど、当日券も毎日いっぱい出てるよ!(ダイマ)

 

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好きな理由

ビリー・エリオット」について、初めてちゃんと知ったのは2015年でした。映画の「リトル・ダンサー」をミュージカル化した作品だとか。この舞台を撮影した映像を映画館で見られるということを知り、何の気なしに、本当に何の気なしに「いいミュージカルが映画で観られるなら」と映画館に行ったところ、号泣したのでした。もう「どこのシーンで泣いた」とかじゃなくて、ずっと泣きっぱなしくらいの状態。

まあおたくでなくても観た人は大体感動すると思うんですが、これだけ心を抉られてしまったのは、やっぱり自分がジャニーズ、ひいては3次元のおたく*1であるということと切り離せない気がします。ダンスと出会ってしまった、どんなに反対されても、もうそれしか選ぶことができないビリーは、私たちの好きな誰かの少年時代なのかもしれないと思ってしまったら、もうダメ。物語も音楽も素晴らしいから、相乗効果で泣ける。

1回観てしまうと、ビリーがおばあちゃんのダンスの話を聞くあたりですでに泣けるし、ちょっとずつ才能を開花させていく様子でぞくっとして泣けるし、女装している親友のマイケルと「なりたい自分になって何が悪いの」と歌うとこで泣けるし、父親に反対されたときすら踊って怒りを表現するので泣けるし、まあここまでで1幕くらいですが2幕でもガンガン泣ける。あんまり「泣ける!」って謳い文句は好きじゃないんですが、泣けてしまうのだからしょうがないのです。

私はアイドルを見ている時、彼らはファンのために存在するわけでなくて、どこか自分がステージから離れられないという欲のような業のようなものを持ってるんだろうなと思っています。例えばV6の坂本さんや長野さんが「1回ジャニーズを離れたけど、ステージに立つ快感が忘れられなかった」と言うように。その業が強い人がすごく好きで…。ビリーは特別良い子なわけでもなく、ちょっと乱暴なところもある普通の少年なんですが、その彼が踊ってる時に本当に気持ちよさそうにしてて、「言葉にならない」「鳥のように自由になれる」と語るんです。

そういう「どうしようもなく出会ってしまった」という気持ちは実はおたく側も一緒で、なんで数いるアイドルや俳優の中からこの人のファンに……と思ったり、あるいは数多くの趣味の中からコンサートや舞台に行ってしまうんだ…自分の趣味がスポーツや料理だったらもう少し世間で生きやすかったのに…と思うことがありますが、それでも「出会ってしまった」としか言いようがないんですよね。いやおたくとステージ上の人じゃ全然その価値が違うかもしれませんけど、その「出会ってしまった」という気持ちがよくわかるから、すごく泣けてしまう。ビリーは踊っている時に「自由になれる」と言いますが、ステージで踊っている人の姿を観ている方も、自分の中に電気が走って自由な気持ちになってるんだと思います。

男の子とバレエの組み合わせ

もう一つ、大事な要素なのが「男の子とバレエ」という組み合わせ。ボクシングを習っていたはずのビリーは、バレエ教室に通っていたことを知った父親から「男のくせにバレエなんて」と禁止されます。この禁止から、親友のマイケルと一緒に女装して歌って踊る「Expressing Yourself」につながるわけですが、2人が「自分を表現して何が悪いの?」「なりたい自分になって何が悪いの?」と歌うところが本当にぐっときます。

しかも「ダンサーになりたければなっちゃえ、炭鉱夫になりたければなっちゃえ」と、炭鉱夫である父親を否定しないし、ビリーの一部でもある。これが高校生くらいだったらもっと親に反発しそうなんですけど、11歳の少年だからこその柔軟さなのかなと思います。そんな感じで「みんな違うのは当たり前」「必要なのは個性」と言われると、こじらせてるおたくは感涙です。あまりにまっすぐなメッセージですが、やっぱり歌ってるのが少年たちだから、まっすぐすぎるくらいでいいんだろうな。

もちろん普通に「少年が踊りまくる姿を見たい」という人も大満足なくらい踊ってくれます。また映画版では、大人になって主役としてステージに立つビリーをアダム・クーパーが演じ、マシュー・ボーンによる男性だけの「白鳥の湖*2が出てくるという「夢の叶い方」が見れましたが、舞台版ではビリーが大人になった自分を想像しながら踊る「Dream Ballet」というシーンがあります。このオールダー・ビリー*3と少年ビリーがしっかり息を合わせて踊る姿とか、本当語彙が「尊い」しかなくなる……。あと、もし自分がジャニーズJr.で『ビリー・エリオット』を観たら、もうステージから離れられないだろうなあと思うから、Jr.担は自担に勧めよう。カーテンコールまで徹底して楽しいので最高です。

5人のビリーだよ

最後にせっかくなので主演の5人について紹介しますね。といっても私も別に全員観たわけじゃなく、ドキュメンタリーやこれまでにお披露目されてた映像や記事を見ての紹介です。そういうビリー本人たちに興味を持って観るのでも良いと思います。

・加藤航世

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「バレエがないと生きていけない」と言って、コンクールでも入賞しまくっているバレエ少年。稽古場やプレスコール等でお披露目される際のバレエの見せ場はいつもだいたい加藤くんです。指の先まで綺麗で、他の子が振り付けでちょっと補うことのある連続ピルエットも自力で回っています。家に帰ってもバレエの映像ばかり見ているらしい。

・木村咲哉

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今回最年少の10歳ビリーです。子役をしているお兄ちゃんの影響でオーディションを受けたという。そのお兄ちゃんが、受かった報告をする咲哉君に「どうするの?これから」と尋ねると、10歳の咲哉くんは「踊る!!」って言ったんですよ。あまりにエモい。

・前田晴翔

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ジャニヲタの間で話題の顔が綺麗すぎる男の子です。堂本光一さんのEndless SHOCK 2013のDVDに収録されているEndless SHOCK ANOTHER STORYにて少年期のコウイチを演じている前田くん。ニューヨークの勝ち抜きダンスコンテストで1位を獲得した経験のある帰国子女である。前田君はドキュメンタリーでもエピソードがありすぎて本当に強いなあ〜と思います。

 ちなみにルービックキューブに対する本人の言葉。

・未来和樹

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異様に日本語能力が高い最年長。訳詞の方のツイートからおたくのブログのように役解釈の文章を書き出すなど、しっかりした読解力から導き出す表現力が魅力の持ち主。多分(未見)。

一番観たいと思ってたので、めっちゃ楽しみです。熊本出身で、熊本地震の最中にご近所のおばさまに歌声を送り涙されたという”天使の歌声”の持ち主と言われています。

・山城力

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経験ゼロながら、シンガポールからオーディションに参加。反対する両親に対して土下座したというリアルビリーです。最終オーディションに落ちたけれども、その熱意を買われ「今後の様子次第ではビリーになれるかも」ということで見事5人目のビリーに昇格。現在はトールボーイ役として出演し、8月下旬からビリーとしてステージに立ちます。

 

あともう一人!

・古賀瑠(マイケル役)

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「えっなんか異様にかわいい子がいるぞ!?」と驚いた。目がキラキラすぎる。ミュージカル「忍たま乱太郎」などにでていたそうで、なんと関ジャニ∞「TAKOYAKI in my heart」のPVでチビエイトとして緑(大倉)を担当してたらしい。1作品に2人ジャニーズの少年時代担当者がいるとはとびっくり。

 

というわけでビリー・エリオットが好きだという話でした。だいたい満足した!

billyjapan.com

*1:2次元アイドルのおたくでも

*2:これも最高

*3:大貫勇輔と栗山廉のWキャスト