Love-tune横アリ単独ライブに感じた、強さ&うまさ&エモさを振り返る

Love-tuneの横アリ単独すごいよかったよね

3月25日に行われた、Jr.祭りのLove-tune単独公演。今更すぎ*1ですがほんとよかった!

正直に言えば、この横アリ単独には、本当にいくつものらぶ担の思いが乗せられていたのだと思います。まずKing & Princeのデビューが決定してすぐに発表された公演だったこと、あともはや忘れかけてるけど萩ちゃん退所の噂が流れていたこと。結局萩ちゃん退所説ってたぶん1人くらいしか言ってなくて、萩ちゃん本人の言動からはあまり感じられず、今となってはなんだったんだ…と言うくらい影も形もなくなったけど、ちょっとどきどきしたし、「そういう可能性があるんだ」と結構はっとさせられました。

さらには、YouTubeのジャニーズJr.チャンネルにLove-tuneだけいない、ジャニーズwebの連載もLove-tuneはやらない、ということで、赤裸々に言っちゃうとなんか言われてるように契約的なのあった……?*2とかモヤっとする気持ちはありました。 だからここへ来て、Jr.の兄組4グループの中ではLove-tune担が感じる横アリだとか、新曲だとか、そういうものに対する思い入れはだいぶ違ったものがあったのかもしれません。今回はね。

でも、横アリのLove-tune単独公演を見て、本人たちはおそういうファンの動揺とか承知済みかな?と思うくらいの意外性、ストーリー性を打ち出してきていて、本当にうまいし、つ、強いな〜〜と、目を開かされる思いでした。

というかなんかLove-tuneの単独公演を見ながら「やべえ、チャクラ開いた……」みたいな感覚がありましたね…いや、スピリチュアルはかじっておりませんので安心して…。

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安井さんのうちわとLove-tuneバンダナだよ!(サムネ用てきなやつ)

ジャニらしさとらしくなさの融合がうまい

いきなり昔の話で恐縮ですが、私の中では「2003年ターニングポイント説」みたいなのがあって、KinKi Kidsの2002-2003コンサート「F concert~Fun Fan Forever」と、V6の2003年「LOVE&LIFE 〜V6 SUMMER SPECIAL DREAM LIVE 2003」で1回だいぶコンサートの作り方変わったな、という印象がありました*3。それまでジャニーズコンサートの"型"を踏襲していた2つのグループが、ツアーのクリエイティブ・コンセプトを明確にして、ジャニーズらしさと外部の風を融合させてバーっと世界が広がった*4、そういうのをLove-tuneの横アリ公演にも、感じた!*5最近はどのグループもみんなコンサート作るの上手だし、らぶが影響受けてるのは全然違うところからかもしれないけど、「あ、Love-tuneここにたどり着きましたか」みたいな、ジャニヲタ人生2周目*6でハッとさせられました。

コンサート自体は、事前に安井さんがらじらーで「ストーリー仕立て」と言っていたように、「スーパーマンになりたい」という夢を大人に馬鹿にされたと落ち込む少年が、「Love」というAIにサポートされて喜怒哀楽という感情を学ぶ… という展開。風isなどの影響*7も感じさせながら、「〇〇のためにいくつかの要素を学ぶ」というのが、完全にジャニワ・ジャニアイ、遡ればSummaryのオマージュになっているところは興味深いです。ここへ来て、ジャニーズメソッドを踏襲するのか、と思いました。特に烈火での「なぜ人は争うのか」というナレーションや殺陣は、完全に帝劇でしたよね。

(…余談ですが、単独後の合同で、すのすとがメンバー紹介映像使ってたの見て、「あれいいな〜らぶはないのかな〜」って言ってたけど、「……あったわ!映像!!」「AIの言葉と喜怒哀楽の映像あった!!!」と爆笑しました。予算の使い方に全く汎用性がなくて、単独公演の流れに全力すぎたのかわいい)

この最後の夢が、「superman」という新曲につながっていたのですが、公演後のらじらーで「supermanという新曲がもらえることがわかって、それに合わせてコンサートを作った」と明かしていて、本当に本人たちは「Jr.祭り Love-tune公演」じゃなくて「Love-tune Live 2018 superman」というつもりで作っていたのかなと思いました。

今までの公演というのは、「ジャニーズ銀座」とか「ガムシャラJ's Party」とか「Summer Station」とか「湾岸ライブ」とか、Jr.公演の枠ありきの構成で、それは単独だったZeppにしても、「Zeppでやる」ということをテーマに行っていたところがあったと思うのですが、今回は新曲をコンセプトにがっつりすえてきた。つまりコンセプトとなるシングルやアルバムがあってコンサートを作るデビュー組のような構成で、かなり衝撃的でした。

しかも本当のデビュー組と違うのは、新曲がもらえるのかすらわからないところ。もっと言ったら今回Love-tune担は結構不安になっていたと思うし、怒・哀・楽のテーマが示される中で「まだ喜びの感情を学んでないよなあ?喜びをあげる!!きいてください、新曲!!」(うろ覚え)と言われた時に「えええええ!?!?」って涙出るくらい嬉しくて、かつ1公演だけでファンによるネタバレとう概念がないから*8こそできる芸当だ……と戦慄しました。どこかデビュー組とJr.の狭間であることを利用した、特別なコンサートの作り方をしているLove-tuneが面白すぎて、コンサート解釈厨としての自分がすごくゾクゾクしました。

走り抜ける姿の尊さ

少し型を外していると思ったのは、コンサートの中にLove-tuneのその場で生まれる感情とか、全力の姿とかを見せる余白があったからでもありました。もちろんダンスパフォーマンスでもそういう一面はあるんだけど、この傾向はやはりバンドもやっているところが大きいと思います。

「CALL」がわかりやすいけど、あれはあの1曲だけで完成されているというよりも、その場のテンションで200%に持っていく楽曲、じゃないですか。Love-tuneのコンサートって、全体的にもまさにそういう感じだと思うのです。

そういった意味では、「僕らのこたえ〜He We Go〜」がとても印象的でした。「俺らの時代だーーー!!!」と叫ぶのもやばかったし、普通外周を走るのって、センターステージ→バクステ→メインステがスタンダートなのに、今回はセンターステージ→バクステ→メインステ→センターステージとかだったのかな?(うろ覚え)とにかく、コンサートに慣れてるおたくが「まだ行く!?!?」って驚くくらい走ってて、センターステージに倒れこんだ7人。こんな動線にしたということは、「いつもより長い距離を全力で走る」ことで観客に伝わるエモさが、構成の中に組み込まれていたようにも思います。

Love-tuneが走る姿は、今回かなり印象に残っています。アンコールでの「CALL」はバクステから続く後方花道で安井さんが顕嵐ちゃんのことを待ってて、やすあら二人で肩を組みながら花道を駆け抜けた姿が忘れられない。許されるなら闇のお写真を貼りたい。検索して!

あとはやっぱりWアンコールのおかわりsuperman。安井さんが「Love-tune集合〜!」と言ってセンターステージに6人集まっていたのに美勇人さんが全然気付かず花道で煽ってて、6人が「みゅうと!みゅうと〜!!」と呼ぶ声に気づいて、美勇人さん猛ダッシュ。絵に描いたように「ハッ!!!」という顔をしてたのもかわいかったし、美勇人さんがダッシュしてセンターステージで6人に抱きついてギュッとなっててアッやばい泣くわこんなの…。

これほど走り抜ける姿が尊いのは、それが劇場やEXシアターやTDCではできないことだから、というのもあるかもしれません。*9

夢を持つこととsuperman

新曲も、増えるたびにいい曲だな〜って言っててまたかよと言われそうですが!Love-tuneって持ち歌4曲、どれも全然違っているのが良いところすぎて。今回の「superman」はおしゃれめのEDMなんだけど、今までの3曲と比べても圧倒的に軽やかで、「こういう曲の選択肢があったのか」と驚かされました。

そんな「superman」ですが、本当にスーパーマンなわけではなく、「空は飛べないけど、あなたたちのスーパーマンになるよ」という歌だったんですよね。「おしゃれなファッションに着替えちゃって今夜くらいは出かけませんか」「空にはちょっと飛べないけど I For you be there.I feel like a sumperman」「忘れられない思い出を作ろう」と語りかけるスーパーマン

ここで歌われてるのはちょっとした特別な一夜のことで、でもアダルティwな意味ではなくて、彼らは今夜は一緒に踊って思い出を作ろう、と語りかけてくる。そして最終的には「君が思い出をくれた」と言ってくれてる。雑誌では「男の子は非現実的な夢を見る。男の子ってばかだな、と思って欲しい」*10と言っていたけど、誰にとってもそんな存在って、つまりはシンプルにアイドルのことでもあるんじゃないかなと思ったのです。

だから、新曲のあとに「どんなに辛いことがあっても、みんなの声が、笑顔が、愛があるから立ち上がれたんだ。僕はひとりじゃない。だから夢を追い続ける。だって僕は……」という子供の声に重なり、Love-tuneメンバーの声で「supermanだから。僕は諦めない。君と僕で、新しい未来を創るんだ!」という言葉に変わった時、「supermanだから」が「アイドルだから」にも聞こえるような気がして、胸がぎゅっとなりました。それは私がアイドルという言葉にどこかすごく、文字通り"夢"を見ているからかもしれないのですが…。

この"夢"という単語は、終盤、何度も言葉にされていました。「今回のコンサートのテーマは夢です」「夢を持って生きていけるって幸せだと思う」「夢を持って生きていこうぜ!!」と煽られ、本編の最後には安井さんがらじらーで予告したようにキスマイの「Dream on」をみんなで歌う展開に。Love-tune担って基本的に一体感はなくて本当にみんなバラバラなんだけど、らぶを前にするとこんな風に歌声がひとつになるんだなって、改めて感動した瞬間でもありました。

Love-tuneって、「僕たちがみんなを幸せにするよ♡」というよりも、「みんな夢を持って生きよう!俺たちも夢をあきらめないから!」という感じで、リア恋よりもどこか自己啓発セミナー的、「社会という荒波を生きて行く同志…」的な雰囲気を醸し出してくるところがすごく面白いですよね。でも個人的には、現状が不安だった中で、実は一番欲しかったものだった気もしているんです。そして本人たちがファンの不安な気持ちも分かった上で素晴らしいコンサートを作ってるなら、この先どうなるかはわからないけど、ついてくしかないな、と思わされました。いろんな背景を物語にしている強さ……したたかさと言い換えてもいいのかな。それと構成のうまさ、うまさにとどまらない全力のエモさ*11、があった。

したたかさっていうと、印象が悪いかもしれないけど、みんなデキジュだから、万が一瞬間で何かあっても、多分何らかの形でリカバリ、もしくは利用できる人たちなんじゃないかと…そういういい意味でのしたたかさは、才能だと思うのです。

だから本当に今回は、Love-tuneというユニットに、今まで以上に"夢"を持てるほど、面白いコンサートでした。

余談的なこと

安井さんがらじらーで、「いろんな解釈の仕方があると思うんだけど…あんま俺が言いすぎるとそれになっちゃうから。受け取ったひとの解釈で」と言ってくれたことが嬉しかった。これは個人的にですが、私はいろんな解釈にたくさん触れたい、なるべく違う解釈が読みたい!と渇望しているので、安井さんがそうやって様々な解釈を尊重してくれてるところが、すごいな〜と思います。これまで*12、解釈は違えば違うほどいいって教わってきたし、安井さんも人によって解釈が分かれるタイプなところが好きなのかもしれません。*13

ちなみにPOTATO5月号では安井さんが「"夢"がコンセプトで"superman"がテーマ」と言ってて、肌感としては言葉の使い方が逆か?*14"superman"というコンセプトで"夢"というテーマを表していたのかな?と思ったけど、そもそも「何を言うか」「どういう切り口か」「どう表すか」を切り分けて立ててることがすごい。何かビジネス書とか読んだの!?さなはぎが大学で習った??

そう、今回のコンサートでの文章は、基本的にさなぴが考えたらしいです。しかもそれを安井さんにすごく相談してたというので、「さなやすやばい…」と思ってます。さなやすの間に特別な感情のやりとりある…って真田担さんと震えちゃう。でも誰がどうというわけでもなく、二転三転どころか五転六転しながら最終的に7人でこのコンサートを作り上げたのだと思うと、すごいメンバーだ。

 

ここまででどんだけ時間かけて反芻してるんだよって感じですが、まだまだ語りつくせないので、「Jr.祭り 安井謙太郎萌え語り編」に続かせてください…*15

*1:まじで仕事が忙しかったから…

*2:もともと、ジャニwebで連載をするのはなんらかの契約を結んだグループだとかなんとか言われていた

*3:私がこの2グループしか見てないのと、単純にスタッフが変わった?というのと

*4:ただしコンセプトガチガチすぎるとジャニーズとしては面白くないので、そこらへんはバランス

*5:あの時KinKiとカミセン24歳くらいか〜と思うと、らぶが今、それくらいのコンサート作れるのもちょっと納得するところがあります。トニは舞台班

*6:なんとなくそういう感覚

*7:「 Summer Paradise in TDC『風 is a Doll?』では、人形たちが人間の感情を学ぶという展開だった

*8:そして単独公演のトップバッターだから

*9:これがV6とかになるともう横アリでも走らない!走らなくていいよ!

*10:POTATO 2018年5月号

*11:エモいという言葉を乱用するなという人もいるかもしれないけど、わかりやすいから許して…

*12:大学とか

*13:ただ、悪意すぎる解釈には「はあ〜!?」となってしまうし、「あ〜それもある!」というラインが一番好きなのかも

*14:違ったらすいません

*15:一切タイムリーじゃないんですが、4月って本当に忙しくて…