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西暦2014年、スマ暦24年

だいぶ頭が沸いているタイトルではじまったわけですが、まあちょっとこの表でも見てください。

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sasagimame/20150429/20150429154614_original.jpg?1430289992

After SMAPで時代が変わりすぎ。そう、スマ暦とは、SMAPがデビューしてから始まった新しいジャニーズの暦のことでした。勝手に作りました。

(ちなみにこの表はV6長野さんのJr.時代を調べているうちに派生したものです。こちらの「ジャニーズ百科事典」を参考にいたしました。このサイトを作っているひとは何者なんだ)

印象的な部分

BS/AS(Before SMAP/After SMAP)の違いとしてどうみても明らかなのは、平均寿命の違いですね。SMAP登場前のジャニーズと言うのは長くて10年前後、大体は2〜4年程度で解散をしていたことがわかります。現在ジャニーズに所属していない人(グループ)の中での最長活動年数1位は田原俊彦、2位は川崎麻世、3位はフォーリーブスです。ここに川崎麻世が食い込むのはけっこう意外ではないですか?

また、知らないグループや知らない人が多かったことにも驚きました。ジャニーズは先輩の曲を歌い継ぐので、ジャニヲタは昔の曲に詳しい方だと思っていましたが、実は語り継がれているグループの方が少なかったことがわかります。そしてソロの人がとても多い。一応この表にはグループとしてデビューした方は入れていないはずなので、昔はかなりソロアイドル志向が強かったのですね。それでもラインナップを眺めているとやはりグループの方が生き残っているというか、成功角度高かったんだろうなあ。

女性グループの存在も面白いです。一応3組女性入れたグループがデビューしていますが、最後の「オレンジ・シスターズ」はシングル初登場95位で、売り上げが0.7万枚だったなどあまり成功していない様子。また男女混合の「VIP」はメンバー間の恋愛関係が原因で脱退者が出て、解散となってしまったらしい。一大事〜!
変わったグループと言えば、「デビー&ルーベン」はハーフの兄弟ユニットだったとか。ハーフの系譜がここに…。

ネーミングセンスもなかなか昔から爆発しており、例えば「未都 由(みと ゆう)」さん(ソロ)は、「MEとYOU」「未来・東京都・自由」が由来となっているらしい。「豊川誕(とよかわじょう)」さんは、豊川稲荷の豊川と、誕生の誕を合わせたが、メリーさんが日本語に疎かったため「誕」の方を「ジョー」と読ませてしまったんだって。大体「ジャニーズ百科事典」に書いてあるので興味のある方はぜひ。

アイドルが「操り人形だった」と語る時代

以前、演出家の蜷川幸雄氏がイケメン俳優人気への憂いをコラムに書いて話題になっていました。

今のジャニーズやジャニーズファンに対して「マネキンのような若者の商品化をはかっている」「イケメンを食べて捨てている」という言葉をもらうことはほとんどないでしょう。むしろ高齢化により若手がつっかえていることが問題としてあがるくらいですからね。
しかし昔のジャニーズを見ると確かに「イケメン(少年)を消費」していた時代があったのかもしれない…と考えてしまいます。いやもちろん、個人をずっと追いかけ続ける熱心なヲタは一定数いただろうけど、アイドル側は一様に「ジャニーズ事務所にいたころは操り人形のようだった」「自分たちの個性は必要なかった」「本当の俺はこうじゃない」という思いをどこか抱えていたと話しているのです。だからといってそのときのパフォーマンスが何か偽物だったとかいう話ではなく、全力でやっていたのだろうとは思うのですが…。*1

例えば16歳でデビューした郷ひろみは、19歳のとき既に「このままの活動を続けていれば自立できず、ファンのためにも自分のためにもよくない」と思い、移籍を覚悟したと語っています。他にも「孤児」として売りだされるのが嫌で事務所を飛び出した豊川誕、「自分たちで楽曲について話し合ったこともなかった」と語る諸星和己…一般にイメージされる「アイドルって大人の言いなりで、自分で考えてないんでしょ?」というアイドル像は、確かに存在したのです。

まあ大体発言するのは不満を持っている人だから、「そんなことないよー自分たちでちゃんと好きにやってたよ」という人も実はいたりするのかも。実際少年隊は「デビューのときもPLAYZONEを作るにあたってもスタッフと話し合ってつくりあげていった」と発言していたりするんですよね。グループによって違うのだろうか。

現代との感覚の違い

一方で、あけっぴろげな部分もあるのが不思議です。たとえば豊川誕が失踪した際リポーターがテレビで「誕! 暴走族と遊んでないで出て来なさい! 今ならまだ事務所につないであげるから!」と呼びかけたり、豊川誕が睡眠薬遊びにはまっていたときにファンが「ジョーが薬をやめないなら私たちはファンをやめる!」とストを起こしたり…いや豊川誕ばかりになってしまったけど、全体的にむちゃくちゃなんですよね。これは隠してるのに、そこは公開するの!? みたいな。恋愛の話題はNGなのに、結婚については事務所所属タレントがオープンに祝っていたりとか(いいことだけども)、感覚が今とはだいぶ違うんだろうなあと思います。時代として、女性アイドルが初潮の時期を公言することもあったんだって。

「恋愛話NGで結婚話OK(ただし、その後事務所には長くいられない)」を考えると、アイドルでいる間は聖なる存在、アイドルを降りたあとは急速に俗世の人として扱うようになる…といった感覚もあったのかなという気がしますね。ここらへんは、女性アイドルなどの「卒業」システムとも通ずるところがありそう。
「個性」に対する考え方も少し変わってきているのではないかと思います。現代では「自分の思っている自分の個性」と「相手が受け取る自分の個性」は違うものだと言われて、納得する人は多いでしょう(受け入れられるかはともかく)。昔のアイドルに対しても「個性を伸ばす」名目で、本人が思う個性とは違うものを与えていたために「自分は操り人形だった」「個性を必要とされなかった」と思う人が多かったのではないか。今は「キャラ付け」することを厭わない人も多いですよね。

「年齢制限」は存在したのか

あと気になるのは年齢的なところ。少年隊の東山さんは「光GENJIがデビューして、ファンが入れ替わってしまったのがわかった」と発言しています。またフォーリーブスも「20代後半になっていづらくなった」「自分の位置や人気について”非常ベル”が鳴っていると思ったら辞め時」と口にしているように、男性アイドルに不文律の「寿命」があったことは確かだと思います。ただジャニーさんが「30すぎなければ本当のエンターテイナーではない」「日本の芸能界はそこまで成熟していない」と発言していたらしいともあるので、すごく好意的に見れば、「本当のエンターテイナーとして認めれば、好きにやらせる」「世間に受け入れられているのであれは、好きにやらせる」という面はあったのかもしれません。
受容する側のファンも変わって来ているとは思います。特にジャニーズアイドルのファンは女性が大多数だから、女性の進学率や仕事観の変化によって、求められるアイドルも変わってくるでしょう。ここまで話を広げると個人的には手に負えないところまで行ってしまうのですが…。

SMAPは何を変えたのか

なんだかとりとめのない話になってしまいましたが、じゃあSMAPがどうやって変えてくれたのか? という部分については、結局よくわからないままなのでした。SMAPがすごいことは十分わかるんだけど、ではSMAP陣営が意図してグループを「長生き」させようとしていたのか? それとも時代がそうさせたのか? あるいは…? ぜひSMAPファンの方にじっくりきいてみたいところです。

追記:SMAPについて考察していただきました!

「After SMAP ~SMAPがジャニーズを変えた3つのターニングポイント~」 - 小娘のつれづれ

追記2:女性データから見たSMAPについて…!

SMAPという時代 - ねぼけまなこ

 

参考文献
・和泉ヒロシ『ジャニーズ・ファミリー -裸になった少年たち-』(オリオン出版/1976年3月)
郷ひろみ『たったひとり』(小学館/1980年10月)
北公次光GENJIへ』(データハウス/1988年12月)
近藤真彦『もう一杯ぶん、話そうか』(集英社/1992年4月)
・豊川誕『ひとりぼっちの旅立ち 元ジャニーズ・アイドル豊川誕半世紀』(鹿砦社/1997年3月)
江木俊夫、小菅宏『ジャニー喜多川さんを知ってますか』(KKベストセラーズ/1997年8月)
諸星和己『くそ長〜いプロフィール』(主婦と生活社/2004年5月)
吉田豪『元アイドル!』(ワニマガジン/2005年5月)
東山紀之カワサキ・キッド』(朝日出版社/2010年6月)
・小菅宏『アイドル帝国ジャニーズ50年の興亡 夢を食う人・ジャニー喜多川の流儀』(宝島社/2012年6月)

*1:こういう話はとてもデリケートで、「あれは本当の自分じゃなかった」とか言われると、ファンは「なんだと!」って気分になるから怖い。「それを好きだった私のことなんだと思ってんの!」って、自分を否定されたような気分になって炎上しますからね!