SMAPは少年漫画の世界をつくったのか

※この記事は、田口くんの脱退について触れていますのでご注意ください。

 

先日、日テレの「ベストアーティスト2015」という生放送の歌番組で、KAT-TUN田口淳之介くんが脱退を発表しました。めちゃくちゃにびっくりしてつらい気持ちになったのですが、その発表のあとにメンバーの亀梨和也くんがたくさん謝っていたことにも驚きました。もうほとんど、不祥事の謝罪会見でした。

本当にまず大変の発表で申し訳ございません。何度もこのような形になってしまい、関係者の皆様、ファンの皆様、本当にたくさんのご迷惑とご心配をおかけしてしまっていること、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。すいません。KAT-TUNのメンバーの一員としてこのできごとを真摯にうけとめ、4人のKAT-TUNとしていただいているお仕事にしっかりと責任を持ち、全力で向き合っていかせていただきたいなと思っています。今回は本当に日本テレビさん、番組スタッフの皆様、櫻井くんをはじめとする出演者の皆様、本日出演されているアーティストの皆様ならびに関係者の皆様、そしてTVをご覧いただいております視聴者のみなさま、本当にご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。このような時間をつくっていただきまして本当に皆様、ありがとうございます。

更にすごかったのは、男性アイドルがメンバーの脱退に対してこんなに謝ったあとで、AKB48高橋みなみさんがさわやかに卒業について触れたことです。女性アイドルと男性アイドルで、「脱退」についての考え方が全然違うことがよくわかるできごとでした。どちらが良いとも、悪いとも言えないのですが。
この光景について話していた時、少女漫画の研究をしている方が「女性は少女からの卒業によって物語がなりたつけど、男性は少年からの延長に物語がある。だから女性アイドルにとって卒業は当たり前だけど、男性アイドルにとっては当たり前ではなくて、亀梨くんはあんなに謝らなくてはならなかったのかもしれない。少女漫画/少年漫画の違いといっしょだなと思った」という主旨のことを言っていました。つまり、女性アイドルは少女漫画の文脈で、男性アイドルは少年漫画の文脈にありそうだというわけですね。ちょっとこの仮定にそって、考えてみたいなと思いました*1

Before/After SMAPで変わったもの

いまでこそ少年の延長で終わらない物語を続けている男性アイドルグループですが、「Before SMAP」の世界では解散も脱退も当たり前に存在していました。現在のようにほとんどのグループが解散せず、毎年どこかで●●周年を祝うような状態は、SMAP登場以降の世界で起こっているできごとです。

※参考

sasagimame.hatenablog.com

これを単純に先ほどの図式にあてはめてみると「Before SMAP=少女漫画の世界」「After SMAP=少年漫画の世界」となります。
Before SMAPの時代、なぜアイドルは男性なのに少女漫画の世界を生きていたのか、それはアイドルをめぐる物語の主役が、少女であるファンの方にあったからなのかな、と思いました。彼らは少女漫画のなかの王子様で、少女がいずれ卒業するべき初恋の相手で、だからこそ少女たちが卒業してしまったら自分たちも世界を去るしかなかったのではないか。
とまあ、かなり勝手に考えを進めていますが、実際にアイドルたちの述懐からもそのようなニュアンスを読み取ることは可能です。

ぼくはファンの人達に夢を与えるアイドル・スターだ。でも、たんに夢をあたえるというだけでいいのだろうか。自分の人間的な面をふくらまして、ファンとコミュニケートするなかから、ファンの人達とぼくとがいっしょになって夢や喜びをつくっていく。そういう形にならなければ、まもなく壁にぶつかるのではないか。(郷ひろみ)

 

僕は基本的にジャニーズ事務所ティーンエイジャーのための会社であるべきだと、思っている。今も三十代のタレントがいないわけではないし、いろいろな考え方があってもいいとは思うが、あくまでも、僕個人としては30歳をすぎたら事務所にお世話になるべきではないと考えていた。(田原俊彦)*2

 

古いファンが光GENJIに関心を失っていっても構わず、小・中学生の新たなファンが寄ってくるのを待ち構えているーー後期の光GENJIの戦略を、オレはそんなふうに受け止めるようになっていった。(大沢樹生)

※参考

sasagimame.hatenablog.com

男性アイドルは少年の延長で大人になっていっても、ファンはどんどん少女時代を卒業していってしまう。次の世代に王子の座を譲ることになるし、アイドル自身もいつまでも「少女の王子様」をやっていられないと考えてしまう……。
そこにあらわれたSMAPは、衣装も王子様系からカジュアルダウンするわ、バラエティ番組にも積極的に参加するわ、彼女の話もするわと、新しいアイドル像をつくっていきました。その像が、今も脈々と引き継がれています。

前述の仮定にそってみると、SMAPは「少女の王子様」を卒業することで、男性アイドルを「少年漫画」にした、自分たちが主体となった男性の物語に変化させたと言えるのではないかと思ったのです。そして、後続のグループもアイドル主体の物語をつむぐことによって、ジャニーズは「少女の物語」から卒業しなくても良くなっていったのではないでしょうか*3。たとえばいま日本を代表する男性アイドルである嵐は、「メンバーの仲が良い」ことがグループの魅力として筆頭にあげられています。これはやはり「嵐という男性の物語」の方が主となっている現状を表しているように見えます。メンバーの脱退、結婚、書類送検など多くのハプニングを抱えたSMAPが、2014年の27時間TVで多くの人の涙を誘ったのも記憶に新しいですよね。

モブは見守ることしかできない

と、ここまで考えたのですが、彼らが卒業しない物語をつむぐのであれば、やっぱり結婚や脱退などの選択も避けては通れない道となってしまうのかもしれません。だって我々ファンが主役ではなく少年漫画の脇役、というかモブ的存在、あるいはただの読者なら、主役の決断に対して何も言うことができないではないですか。卒業しない前提だから、亀梨くんはあんなに謝ったけど、卒業しないのなら、何があっても見守らなければいけない。矛盾しているようですが、そういうことなのかなと。更に言えば、彼らが自分たちの物語を提供するのなら、最悪ファンの方がみんな卒業してしまっても、物語自体は成立してしまう。もちろんタレントとして十分な収入があってビジネス的にOKであれば、という話ではありますが。ちょっと、さびしい気持ちになる部分もありますね……。

まあこの仮定をあてはめられるのかちゃんと検証しなければいけないのかもしれないし、いやそもそも男性アイドルは少女漫画でしかないよとか、もしかしたらいったんは男性の物語になったけど、また揺り戻しのように「ファンである女性の物語」になってきているとか、いろいろあるかもしれません。女性の物語も少女からの卒業ではなく、少女の延長にあるのだ、という風潮になってくれば、ファンの物語になっても王子様はいなくならないですむのですから*4
何が良いことで何が悪いことなのか、自分には判断することができません。ただ、個人的にはどんなかたちであっても、終わらない物語を見たいと、願ってしまうな~~。

*1:「少女が卒業しない少女漫画もある!」「少年が卒業しなければいけない少年漫画もある!」的な意見もありそうですが、いったんこの仮定にそいますよ

*2:これはアイドルがティーンエイジャーであるべきと言っているようにも読めますが、それであれば「20歳をすぎたら」と言うと思うので、ファンの想定がティーンエイジャーなのだろうと解釈しました

*3:そっちのがつらいという説もあるでしょう

*4:それが良いことなのかはともかく

2015年11月1日の記録 コンサート編

さて、V6の20周年コンサート本編です*1。今回は本当に、このデビュー日11月1日のチケットがとれなかったみたいで、先の記者会見の前説でも、つーこさんに「水道橋(東京ドーム)でできるくらい応募が来たんだけどね〜」と言われていました。そんなチケットですが、私はなぜか割とあっさり当選を確認してしまい、「もしかして意外と応募少なかったのかな?」などと思っていたから、あとから激戦だったときいて驚きました。今まで激戦のコンサートがすんなり当たったことなんてなくって、苦労して探していたのに、こんなことも起こるもんですね……。

ちなみに記者会見編はこちらです。 

sasagimame.hatenablog.com

本編

私の席はロイヤルボックス上あたりだったので様子はほとんどわからなかったのですが、いつもよりもずらーっと席が空いているのが少しだけ見えて、これはたくさんゲストが来そうだ、とどきどき。客電が落ちてすぐに、ぞろぞろと男性たちが現れて座っていきました。前半5曲目、「太陽のあたる場所」でV6が外周を通るとすでに総立ちで大盛り上がり。

今回のV6コンサートでは、あいさつMC時に毎回「20代の人〜!?」「30代の人〜!?」と手と声を上げさせる、通称「点呼」があるのですが、11月1日、明らかに他の回より10代・子供・男性が少ない!!1曲1曲始まる前の「この曲が来るんだ!」的な歓声も他の回より若干少なかったので、大半が歴戦の猛者だったのではないかと思われます。そんなわけで男性は少なかったけど、ロイヤルボックスの集団ががうおおおお!!! と盛り上がっていて、V6のメンバーも「盛り上がっている集団が……」「明らかに声を出し慣れている人たちがね」と笑ってしまうほどでした。

最初のMCでは外で音漏れを聞いているファンが大勢いることを知らされて、「一番声が大きいから」と指名された岡田が何回か呼びかけたけど、最初だけ外のファンからの声が聞こえた、ような気がする。この音漏れ開放の是非は、終演後少し話題になっていましたね。基本はだめだろうけど、その場で主催者がいけると判断した結果、大きな問題にならなかったことに対して、あまり言わなくても良いのではないかなと思いました。他の会場で真似する人が出てきたら、追い返したらいいわけですし。ただ、家でおとなしく待っていた方たちが悔しいと思うのは気の毒だなあ……。

本MCではなんとなくいつもよりそわそわした空気のなか、今日はジャニーズ事務所の仲間がきてくれています!とロイヤルボックスの面々を紹介。現れたのはTOKIO、嵐、生田斗真Hey! Say! JUMP戸塚祥太(A.B.C-Z)の計21名でした。多い!!乱闘あり、ほっこりありの楽しいMCでした(後述)。このときは、みんなの出番はここで終わりなのかな?などとのんきに考えていた。

あいさつ

本編最後に1人ずつからあいさつ。ここでみんな少しずつ目がうるんでいました。話があっちこっちいってるな〜と思ったら、めちゃくちゃはにかみながら「V6のファンは誇れます。みんなのことが大好きです」と言った博。簡潔にしっかりと「これからもがんばっていきます」と言ってくれた剛くん。「たくさんあるグループの中から僕たちを選んでくれてありがとう」と言った健ちゃん。「グループをちゃんと見れていない時期もあったけど、お兄さんたちが優しく迎えてくれた」といつも正直な気持ちをくれる岡田。「1995年11月1日ーー……」とミュージカルちっくに語り始め「きれいでかわいいみんなのおかげでここまでこれました」と真顔で言ってのけた坂本さん。「みんなうちわとか、その文字カッターで切ってつくってくれたんでしょ?」とファンの努力に触れつつ「子供たちが大人になったとき良い世の中にしていこう」とジャニーイズムを受け継ぐ井ノ原。6人ともいいあいさつだったよ〜。

アンコール

コールをしていると、いつものようにバックから坂本さんの声だけがして「まだいけるか〜!?」と煽ってくる。いつものようにイエーイ!とか言って、いつものようにMADE IN JAPANのイントロが流れると思ったら……ちがった!TAKE ME HIGHERのイントロが流れて、「さっきコンサート本編で歌ったよね!?」とめちゃくちゃ混乱しました。そしたら、いつも6人のはずのシルエットが多い!私はここでやっと「嵐がバックにつくんだ!!」と気づきました。鈍いわ!嵐のことを忘れるくらいコンサートに集中してたから……。

嵐がバックについてくれた『TAKE ME HIGHER』は、もうめちゃくちゃにたぎりましたね。2001年からのファンなので、V6のバックにJr.がついていた時期をちゃんと見ていたわけじゃなかったんだけど*2、11人で踊る姿に流れる「あの頃の空気」がすごくて、一気にタイムスリップしたみたいだった。踊り終わったあとの翔くんも「僕ら、それから(ロイヤルボックスにいる)斗真が知っているコンサートというのは、V6のみなさんの背中越しに、ファンのみなさんを見る景色で。それを思い出した」と言っていて。そういえば翔くんって嵐の1stコンサートでも「すべてのジャニーズJr.にありがとう」と言ってたし、もしかしたら、あの黄金期のJr.たちを代表してバックをつとめてくれたのかな……と思ったらなんだか泣けてきてしまいました。V6の背中には、いろんな思いが乗ってるんだなあと。

今回のPJを先頭をきって進めてくれたのは松潤だったらしく、井ノ原に電話をして許可をとり、でも「絶対に邪魔だけはしたくない」から、今回のコンサートの映像を取り寄せて、どこで出るべきかを検討してくれたそうです。井ノ原が「本編で出てきたらいいんじゃないの?」と言っても、「あそこはV6とファンとの距離の話をしているところだから、だめです」と言ったらしく、本当にその通りだよ!とファンからも大きな拍手でした。そう、本編で歌う「TAKE ME HIGHER」は、ちょうど「V6同士の距離は●m」「ステージの最後列との距離は●m」「V6とファンとの距離は●m」といった映像が流れたあとのパートだったんですよね。細やかな気遣いに感心するとともに、ここまでやるからトップに立てるんだな、と少しおそろしくも感じました。

ちなみに一部で物議をかもしたのが、松潤の発言。V6のダンスは残ってるんだけど、Jr.の振り付け資料がなかったため、ファミリークラブのスタッフさんに頼んだところ、ファンの方が昔のミュージックステーションなどのビデオをたくさん送ってくれたんだって。……いやいや、きいてないよ!?どこのファンに、どんな連絡がいったんだろう?たぶんこれは疑問を持ってはいけないやつ*3

その後嵐はロイヤルボックスに戻り、通常と同じようにアンコール曲を2曲。さらにV6はもう一度アンコールで出てきてくれて、こちらも2曲歌ったのちに去って行った。と思ったら、スクリーンに6人のイラストが描かれていって、「To Be Continued…」の文字。このイラストについては、ジャニーズweb内の連載「にこにこ健」にて、見ることができます*4。健ちゃんからのサプライズで、6人にTシャツとして配られたなんて、本当に粋なことする。

トリプルアンコール

ファンからの止まない「もう1回!!もう1回!!」の声にもう一度出てきてくれた6人。と思ったら、メインスクリーンに「V6へ」という文字が流れてきました。メンバーもあれ、という感じで横並びで座ってスクリーンを見つめ、客席のこちらも何だろうと、わくわくして見守っていたら、さらにメッセージが……。

 

V6へ

 

1995年11月1日、あなたたちはわたしたちの前に現れました


いや、誰だよ!!!!


思わず往年のテキストサイトのようなフォント芸ツッコミを……。V6さんたちは静かに見ているんですけど、客席の私たちとしては「誰からの手紙?」「ファン??」「ファミクラ?」「つーこさん??」「つーこさん?」「つーこさんで」「つーこさんでいいか」とまとめた。先ほどの「TAKE ME HIGHERの映像資料を提供してくれたファン」と並んで、2大謎のファン代表でした。こういうとき、ファミリークラブは消費者のための組織ではなく、ファンの上位組織であることを思い出すのだ……。


とまあ動揺するわれわれをよそに、つーこさんから(仮)のV6へのメッセージはすすみ。各会場でファンたちがV6に内緒でメッセージリボンを書いていたことが語られ、20万にもおよぶメッセージのリボン、うけとってください!という文章とともに、6人を包むようにぶわーっと赤と白のリボンが降り注ぎはじめて。

私はこの日までにけっこう、あの各会場で書いたメッセージリボンがどういったサプライズで使われるのかな?と想像していたんです。去年のTOKIOの20周年みたいにくす玉かな、とか、何かこうボードに貼られてモザイクアートみたいになるのかな、とか。でも本当にシンプルに、下から吹く風に乗せて一度舞い上がった20万のリボンがひらひらと6人に降り注いでいて、「この繊細さがV6なんだ」と胸を打たれる思いでした。リボン越しの6人が無心にメッセージを読んでいるのを見て、まるで少女漫画のワンシーンみたいだと思ったんですよね。V6って、同世代の他のグループと比べても、なんだかんだ全員がファンの王子様的存在であり続けた20年を過ごしたんじゃないか……って、勝手に私が思ってるだけなんですけど、だからこそ、この繊細な演出がはまっていた気がする。バックに流れていた「愛をこめて」のインストも、少女漫画だった。本当に。

またこのあとの流れが神がかっていて、急に長野博(43)が「まみれちゃお〜!」ってリボンの上に寝転び始めたんですよ!まさか博があんなことするとは思わなくって、ステージ上のメンバーもちょっと虚をつかれたみたいになって、井ノ原が「長野くん、なにやってんだよ!」と言うんだけど、すぐに「おれも〜!」と寝転びはじめた。次々とメンバーがリボンの上にねそべって、最後の剛くんも「そんなのが楽しいわけ……俺も〜!!」とダイブしてくれまして。妖精かよ!と言いたくなる軽やかな動きでした。

それだけでもかわいかったのに、健ちゃんが「記念写真撮ろう」と言いだして、なんと自分のスマホを持ってきてたんですね。それで6人顔を寄せてカメラにおさまろうとしている姿を、メインステージの天井にあったカメラが、スクリーンに大写しにしてくれたんです。てか今回そんなカメラあったんだ!?とびっくり。森田が写ってないだの、長い棒(セルカ棒)持ってきとけよ〜!だのわいわい言いながら、健ちゃんが腕を伸ばしたスマホカメラのシャッターを岡田が切って、無事に撮影されたのが今ジャニーズwebの連載「にこにこ健」に載ってる写真です。

博が寝っ転がったこと、次々とみんながリボンにダイブしたこと、健ちゃんがスマホを持ってきてたこと、撮影中の姿を上からのカメラでうつしてくれたこと、どれもがきれいにはまっていて、放送作家の台本あるんじゃ!?と思ってしまったくらいでした*5。リボンが降り注いでいる最中のV6はファンのアイドルV6だったんだけど、6人だけで寝っ転がって自撮りしてる姿はやっぱり少し家族みたいで、これもまたV6らしいなあと思って泣き笑いでした。いま思い出しても、きれいな空間だったなあ。

HELLO

そこからまた「もう1曲いくぞーーーー!!!」って煽りまくって始まったのが『Hello』*6の静かなイントロで一瞬「えっ!?」となったんですが、聴いてるともう、しみじみ名曲だよHello……(語彙がない)。

HELLO HELLO 気付いていますか?
今も変わらないまま 私はただ
HELLO HELLO 歌い続けていました

たぶん、地球が滅びても、V6は歌い続けてくれているよ……*7

ものすごく満ち足りた気持ちでステージを見つめていたら、外周花道から戻ってきた坂本さんと井ノ原がガシッとハグ。そして親戚のおじちゃんのように「みんな、ハグしとけよ!記念になるんだから!!」と言って、全組み合わせでハグし始めて。ねぎらうようなハグもあれば、子供がしがみつくようなハグもあり、20年やってきてるのになぜかぎこちないハグもあり、黄色い悲鳴をあげ続けました。

その後「みんなありがとう!」「ジャニーズ事務所ありがとう!」「エイベックスの松浦社長ありがとう!」「ジャニーさんありがとう!!」と叫ぶメンバーたち。追いかけて「ありがとう〜!!!」と叫ぶファンたち。でも「ジャニーさんありがとう!」って、天井見ながら言っちゃだめ……!!ああ、このあとだったかな?坂本くんがささっとメッセージのリボンを拾い集めてにこにこと胸に抱えていました。「甲子園の砂みたいに?」と笑う井ノ原。

そしてそしてそして、最後はやっぱり、健ちゃんの投げキスで終了。いや〜、本当に良いコンサートだったな。ぜんぜん派手なことはなかったんだけど、ひとつひとつが胸にじわっと広がって、いつまでも余韻が残っているような、良い20周年でした。改めて、本当におめでとう&ありがとうV6よ……。

 


↓おまけ:ジャニーズ大集合MCのメモ(だらだら書いてる&うろ覚え)

*1:コンサートの内容自体については、また後日まとめたい……

*2:KinKiは見ていたのでざっくりは見てたんですが

*3:その後坂本さんが「みんなおまえ(松潤)のファンになっちゃうよ!俺はもう、ファンのファンだよ!」と言い始めたときに井ノ原がさりげなく「ファンのおっかけ!」と言っていて笑ってしまった

*4:長場雄さんのイラストじゃないか?と言われてますね

*5:ここらへん、20年タレントやってる人たちはすごいな〜と謎に感心した

*6:アルバム『SUPER Very best』LoppiHMV版に収録

*7:ちなみにキンキは最後まで残っておいて死ぬ

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2015年11月1日の記録 代々木での記者会見編

2015年11月1日……V6が20周年をむかえたその日、一体どんな感じで過ぎていったのかを記録しておこうかな〜と思いました。まずは代々木での記者会見編*1です。ちなみにレポ禁と騒がれていたけど特に話はきいていない……「画像をアップしないで」という話はあったみたい。

前日〜11月1日午前中

「明日何かあるかな……」「代々木に早めにいった方がいいかな……」とそわそわ。というのも、V6はデビュー時も*210周年のときも代々木の外に出てきて、ファンの前に姿を現してくれたことをみんな知っていたのです。また、代々木競技場第一体育館は会場外の敷地が広く、夏休みのテレビ局イベント(お台場冒険王的なやつ)ができるくらいで、ジャニーズ事務所も何回かイベントを行っています。これが横浜アリーナ*3や東京ドームだったら、ちょっと難しかっただろうし、ファンの方でも遠慮していたことでしょう。

そんな諸々の好条件が集まり、11月1日の代々木体育館に午前中から人が集まっている様子がTwitterや友達のLINEから流れてきました。12時ごろにはツアー看板が移動されるなど、「こりゃ絶対になにかある……」という雰囲気になっていたそうです。

13時ごろ〜

ジャニーズファミリークラブの偉い人・つーこさん登場の報が流れる。「本当は誰もいない代々木で撮影をする予定だったけど、みんなが勝手に集まっちゃって、しょうがないから一緒にお祝いしよう」といったニュアンスのことを話してくれたらしい。らしい、というのは私はこのとき必死で代々木にむかっていたから……予想より動きが早かった……。ファミのスタッフの方々がどこまで予測していたかはわかりませんが、やっぱり代々木は広場があるし、秩序を保っていたことで、ファンがいたままでもいけると判断してもらったのかなと思いました。

13時半〜

ようやく到着した私は、広場階段下の後方、出口のすぐそばくらい。まだ少し余裕はあったけど、かなり後発組だったのかなー。この時点で、これから1時間後に記者会見があるので水分補給忘れずに、無理をしないで待っていなさい、ということがつーこさんから告げられる。さらに30分ほどのつーこさんトークショー。V6ファンが昔やんちゃだった話や、うちわマナー講座、ちゃんと応援しなきゃだめだよ!といった話など、新宿ロフトでイベントしてほしいレベル。前に井ノ原が言ってた「俺たちの事務所はつーこさんからトークを学ぶからな」という言葉を思い出しました。絶対にその場から移動しないこと、おとなしくしていたらいいことがあるかもよ……と再三注意され、この飴と鞭による秩序こそがジャニーズファンを作りあげているんだな……としみじみしました。ジャニーズのファンが自治好きなのはつーこイズムがそれぞれの魂に宿っているからなんですよきっと(つーこさん過激派)。

ちなみにつーこさんは「私はタレントじゃないから動画とか写真は流さないでね!ただでさえお嫁にいきおくれているのに、もっといけなくなっちゃう!外で見かけても『あっ!』とか言わないでね!周りの人がびっくりしちゃうから、『こんにちは』くらいにしてくれたら、知り合いかな?って思われるから」とおっしゃっていた。大変だなあ&レポしちゃってごめんなさい……と思いつつ、「ファンの行動は止められないから被害を最小限にとどめる」テクもジャニーズのやり方だよな〜と非常に面白く感じました。この代々木の状況がまさに、ですし。

そういえば「V6が出てきたらみんなでMUSIC FOR THE PEOPLEを歌いましょう!」と言われたのもこのときです。ファンの反応は最初「ええ〜(照れる〜)」くらいだったのに、「ちゃんとフッフー!って入れるのよ!」と言われて、「え、Aメロから!?!?」とざわつくしかなかった。直前にいちど練習もしました。

14時半〜

ついにV6登場!「き〜みのひとみに何がうつってるのか〜♪」と歌い始めるファンたち。「さびしく〜」「フッフー!」「させても〜」「フッフー!」自然とパート分けするファンたち*4。「飛ばなきゃ〜ならない〜自分の空〜ジャッジャッッジャッジャ!」間の音楽も歌うファンたち。「ミュージックフォーザピーポーラビン」と「ミュージックフォーザピーポーダンシン」が曖昧でちょっと声が小さくなるファンたち。我々の歌声ははたしてV6に聞こえていたのだろうか……特に触れられなかったのでたしかめる術はありません。

まあまあともかく、一列になってやってくるV6たち。「おとなしくしていたらいいことがある」と言われたとおりに、後ろの方にもやってきて笑顔をふりまいてくれました。「みんなありがとー!」「さむくない〜?」と声をかけてくれたけど、全力で「あつーい!!!」と叫ばれていた。そう、日差しが鋭くて、とにかく暑かったんです。
会見自体は会場入り口前、階段の上のステージで行われていました。「つーこさんのトークで場もあたたまったと思います」と井ノ原。ほんとにね!割と前半のトークで満足感があったからな……。

私の場所からは見えなかったけど、近隣の方々もマンションの窓から覗いていたらしく、井ノ原が「近隣のみなさますみません!V6です!我々V6が悪いんです!!素敵なマンションですね!!」と声をかけていました。騒音問題にも気を使うV6。

15時〜

30分の記者会見が終了。6人まんべんなく話していて、ミュージックソンの発表もありました*5。会見後、もういちど後ろまでまわってきてくれるV6!私のいた一帯には、最後に博がけっこう長めに手を振ってくれたので「ひろし……!!」と息だけの悲鳴みたいなのが上がってました。

15時10分〜

ぱらぱらと解散。17時からはまたコンサートがあるなんてな〜とふわふわした気分でいったん代々木をあとにしました。

おまけ

代々木をあとにしたのち、私は渋谷へ……。友達と「せっかく記念日だから推しTをつくろう!」ともりあがっていたものの、行動がギリギリすぎたため当日になってしまい、その場でTシャツを印刷してくれる店を探して向かっていたのです。場所が渋谷だったのもありがたく、無事に2枚印刷することができました。

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伺ったのはARTONというお店でした。私は自分でつくった画像だから大丈夫だったけど、著作権肖像権には注意だよ。あと、めちゃくちゃおしゃな店なので印刷してもらうとき本当にいたたまれない気持ちになったよ*6。デザイン方面にあかるく、自分用のおしゃなグッズをつくりたい方などにはおすすめかもしれません。しかし本当におしゃれだから気をつけて!!!クリエイティブな空気流れてっから!!

 

*1:会見の中身は雑誌などで公開されるだろう

*2:体験していないけど

*3:横アリもときどき外に出てきてくれたりしますけど、20周年はさすがにきついだろう……

*4:ちなみにあとから話を聞いたら友人たちがみんな主メロ歌っていたので笑った。みんなフッフーするから主メロがいなくなっちゃって、補わなきゃ!って感じだったんですよね

*5:集まっていたファンは「ミュージックソンって!?」「ラジオなの??」とひそひそ

*6:でも店員さんが「学校へ行こう見ます」と言ってくれた、ありがとうございました……

DREAM BOYS 2015の覚え書き (2幕)

ドリボロスに苛まれている中、2幕の覚え書き……。だいたいあらすじと安井の記録です。各雑誌のレポートページ改めてじっくり読むと、あらすじがあんまり載ってないものなんだな〜とびっくりしました。

1幕はこちら↓

sasagimame.hatenablog.com

 

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DREAM BOYS 2015の覚え書き (1幕)

ジャニーさん舞台愛好家として、DVDはチェックしていたものの「1回くらい生で観ておきたいな……」と思っていた舞台『DREAM BOYS』。今回はWキャストなんだ〜どっちでも観れたらいいな〜と軽く思っていたのに、うっかり安井謙太郎沼にころがり落ちたため、結局玉森ドリボ1.5回*1優馬ドリボ3回を見ることになっていました……。
物語としてのドリボは、一応母と子の物語的なところにおさまってはいるんだけど、最終的には青春群像劇として着地しているように思いました。親元を離れて友人たちのコミュニティのみで暮らしている若者たちがぶつかったりする、親の愛も実は根底に存在している、という構造は、WEST SIDE STORY、Hair、RENTといったロックミュージカルの流れを感じるような気がします(言いすぎ?)。私は今までのドリボについてはDVDでしか見ていなかったのですが、パンフレットを読むと玉森チームを中心にかなり手を入れたということで、物語としての着地点が変わってきたように見えるのも、そのためなのかもしれません。また(台本の変更を素直に受けたか)優馬版の3人の演技プランもかなり熱く青春寄りになっていたように思います。

ちなみに私は、優馬バージョンの方が多く観てるから思い入れがあるかな〜。優馬があんなに素敵な歌声の持ち主とは知らず、いろんなミュージカルに出てるところを見たい!!と強く思いました。

あと、今回初めてガチで「好きなJr.が出ているジャニーズ舞台」を経験したら、何回観ても全然飽きなくてびっくりした……。みなさんが通うわけですよねこれは。

そんなこんなで2015年版のDREAM BOYSがいったいどんな話だったのか、あらすじ*2とともに、感想的な何か(だいたいつっこみどころと安井)をざっくり添えて記録しておきます。誰に需要があるのかといったら、私に一番あるやつ。

*1:チケットを忘れたために2幕しか見れなかった

*2:ジャニーズ舞台はあらすじを記録しておかないと本当にストーリーを忘れてしまう

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【ジャニヲタ怖い話】烏骨鶏と博の神隠し

8月22日、一人の人間が忽然と姿を消しました。彼は、約13時間後、何事もなかったかのように我々の前に現れました……。

今回は、晩夏にふさわしい、怖い話をお届けしましょう。

 

その日、私はお菓子やジュースを買い込んで、TVの前にスタンバイしていました。待ちに待った「24時間テレビ」放映日。今年のメインパーソナリティーはV6とHey! Say! JUMP、初の二世代パーソナリティーという触れ込みであり、総勢15名が毎日入れ替わりTVに出て、気合は十分だったのです。V6はデビュー20周年を目前にしたベテラン、Hey! Say! JUMPは全員が平成生まれの若者達。18時半からのOPは15名で歌う「WAになっておどろう」で飾られ、24時間彼らの華々しい活躍が見られると思っていました。そう、このときまでは……。

異変が起きたのは、20時半頃でした。「長野(博)くんがいない……」Twitter上にちらほらと見えるつぶやき。驚いて確認してみると、確かにいない。しかし、24時間もあるのです。途中で人が入れ替わり、少しずつ休憩をとっているのだろう。そのときはそう思っていました。
スペシャルドラマがはじまった21時半ごろより、現地の観覧終了組からのレポートが少しずつ入り始めるようになました。ドラマに切り替わる際に、V6とHey! Say! JUMPのミニライブがあったこと、そこに長野博の姿はなかったこと*1、ロケに行っていると説明があったこと。
今から、ロケ……?私は、いやな予感がしました。ドラマが終われば、お待ちかねのコーナーが待っています。「3世代ジャニーズ 真夏の生男子会しやがれ」と題されたトークコーナーでは、メインパーソナリティーの15名に加えて、天下のアイドル・嵐が参加することになっています。ジャニヲタが一番楽しみにしているコーナーといっても過言ではありません。いやだな〜、こわいな〜……そう思いながらも、ジャニーズ事務所に所属するグループが3つも集まるんだから、帰ってくるだろう、たかをくくっていました。

 

……懸命な読者の皆様にはもうおわかりでしょう。トークコーナーがはじまっても、長野博は、姿を消したままだったのです。「明日の中継のために用意しなきゃいけないんで、どうしても来れなかったらしいんだよ。まあ、本当かはわからないけど……」坂本昌行が説明をすると、自分の口から悲鳴が漏れるのがわかりました。ま、まさか……こんな、ジャニヲタ的に一番大切なコーナーに出ないなんて、そんなことがあっていいはずない……。

事前の情報によると、長野の担当しているコーナーは「イルカと泳ぎたい少女の夢を叶える」というもの。もしかして、イルカの島に向かっているんじゃ……?でもなんで抜けなければならないのか……?メインパーソナリティーなのに明日の朝までTVに出ないということ……?そんな気持ちを抱えながら、TVの中で繰り広げられる、3グループの楽しいトーク。ローションマット上で踊る深夜の見本のようなコーナー。極め付けは19人の心をひとつにして「WAになってアイスを食べる」世界記録に挑戦。そのどこにも長野博の姿はありません。もしかして、長野博って、我々の見ていた共同幻想だったのでは……?Twitter上の長野博担もまた、ひとりひとりと姿を消していき、静寂が訪れようとしていました。

 

忽然と姿を消した長野博……その行方が分かったのは、早朝5時ごろ。

 

TVの中には、石川県金沢市の竹林に佇む長野博の姿がありました。「とても風情のある、風通しのいい竹林なんですけれども!」にこやかに話す長野博。薄暗い竹林、白装束にも見えるような白つなぎに身を包んだ長野博の足元にはおびただしい数の白い物体がうごめいていました。「ヒッ……」私は思わず声を上げてしまいました。

 

「約2万羽の烏骨鶏が飼育されてるんですね〜!」

 

企業のコールセンターなどでは、話す人の笑顔がわかるような声を「笑声」と呼ぶのだといいます。長野博は間違いなく「笑声」を駆使しながら、TVの前の我々に向かって近づいてきます。
そのまま烏骨鶏の鶏舎に入った長野博は、生みたての卵を手に取り、「今温めてたのかな〜?これね〜?あ〜ごめんねごめんね!」と烏骨鶏に優しく話しかけつつ卵を強奪。ごはんにかけて食べ始めたのです……!

「黄身がまとわりつくような濃さで、おしょうゆも、うまみあるんですけど甘くて、素材を、じゃましないという!」

薄暗い竹林で行われる烏骨鶏レポ。中継時間、およそ10分。まるでそれは、神域からのメッセージのようでした。そしてまた長野博は消えました。

彼が再び現世*2に姿をあらわしたのは、それから約4時間後の、9時14分でした。

 

22日の20時15分ごろから、23日の9時14分ごろまで、約13時間に及ぶ神隠し。長野博は24時間中*3の13時間、神に隠されていました。

 

「楽しそうにしている姿を見れてよかったじゃないか」
「きっと卵かけごはんを食べたかったんだ」
「ロケに協力してくれる人にも感謝」
「裏で移動するなんて大変じゃないか」
「事前番組から約40時間も働いているのだから、おいしいものを食べられてよかった」

私の脳内ジャニヲタ大奥(長年ジャニヲタをやっていると、誰かが言いだしそうな意見がすぐに想像できるのです)でも、様々な意見が渦巻いていました。しかし、「しやがれの男子会に参加する自担の姿が見たかった」それがすべてだと言わざるを得ません。本人がどんなに TKG(卵かけごはん)を堪能していようが、見たかったものは見たかった。番組編成を、もっとなんとかしてくれていれば……自担がTVから消える恐怖を体験しなくてよかったのかもしれない……。

ちなみに、長野博がメインで担当した「イルカと泳ぎたい少女の夢を叶える」はすでに収録済だったため、武道館で映像を見るという形式でした。このロケ自体は素晴らしいものであり、さらに子供達とのSTOMPや2グループのメドレーライブ披露、どれも素敵な企画で、それだけに、この恐怖体験だけが我々に大きなトラウマを残しました。

 

これが、24時間テレビで起こったおそろしい神隠しの顛末です。自分には関係ないって?いやいや、お気をつけください。あなたの自担のすぐそばにも、別の世界は広がっているのですから……。

*1:和太鼓の途中から消えたらしい

*2:日本武道館

*3:正確に言うと、24時間テレビって27時間くらいやってるんですが

V6担がJUMP担に聞いてみた

24時間TVもうすぐおわる……ということで、V6担×JUMP担のコラボ企画もかけこみで最後更新をします。最後は「V6担がJUMP担に聞いてみたいこと」といったテーマで、いろいろ話を伺いました。しかし、3カ月くらい前に聞いたのをここまで寝かせており……発表当時の感想ということでね……。 しかもこれ、ファンから見たグループの動向となっており、読み返すとお前誰だよ感しかない……。でもせっかく聞いたし、むちゃくちゃ面白かったので、ま〜あくまでいちファンが聞いた、いちファンの目線から見たHey! Say! JUMPの話ということでおさめていただければ……。

Hey! Say! JUMPファンの印象とは 

ーー千紘さんからみて、今のJUMP担ってどんな人が多く見えますか?

まず、ここ1年くらいで、FC会員が4万人くらい増えているんですね。本当にここ1〜2年くらいで増えてるから、「今のJUMP担はこうです」と言うことが難しい。

最初の方はつなぎをきて、イッピ袋*1と4連うちわ*2を持った、ファンサ厨*3みたいな子が多かったのかなと思うんですが(笑)。去年のドームコンサートで、知念くんが客席をみて「みんな大人になったよね」と言ったんですよ。その言葉の通り、JUMPがデビューして7年、ファンもいま大人になってきている。JUMP本人たちがすごくまじめなグループだと思うので、ファンもまじめであろうとする、わりと熱い気質になっている気はします。担タレ*4なところはありますね。

 

ーー学級会*5はよくあるんですか?

よく見ますね。マナー破るのやめようよみたいな。

 

ーーFCから「僕たちの通っている学校の前で待つのはやめてね」とお知らせがきたりもしていましたよね

そうですね……裏ではあるのかもしれないけど、今は表立ってはいないと思う。JUMPがデビューしてから7年だから、まだファンの年齢は若いけど、ファン歴が長くなってくると落ち着きますよね。学級会が多いと言いながら「相場理解」や「早売り」という言葉、そして放送中にもリアルタイムでアップされる動画がJUMP担の私のTLには頻出しているので(笑)、正義感があるとかっていうよりも、JUMPを愛することに対して真面目で素直で熱いというか……。

 

ーー担降りしていく子もけっこういるんですか?

めっちゃいましたね。2012年くらいが多かったかな。当時流行っていたインタビューズなどで、「なぜ皆JUMPから担降りしていくと思いますか?」って質問が飛び交っているのをよく見かけました。デビューした頃についたファンが飽きて、SexyZone、ジャニーズJr.などの降り先が育ってきた感じはあったんじゃないかな。

あとは、JUMPの活躍を期待して楽しみに待っていたのに一向にTVに出なくて、「見るものジャニワ(舞台『Johnny’s world』2012年11月~2013年1月)しかねーな」みたいな(笑)。ファンの心も離れていくくらい、JUMPに新しい仕事があまり来ない時期だったように思います。

Jr.時代やデビュー直後からファンになると、メンバーの成長スピードが楽しいんですよ。全てが目新しくて、目に見えて成長を楽しめる。でも5年も経つと、「急激にできていく」ことがなくなっていく寂しさがありましたね。綱渡り*6とかできるようになってもな〜と思ったり(笑)

 

ーーある意味空白の期間と。一体どのようなものだったのですか?

JUMPがデビュー直後の華やかな道を逸れ始めたのは、2009年、NYC*7がデビューする頃ですね。JUMPの活動がすごく減っていて、1年半シングルが出なかったりとか……。そのときはコンサートをひたすらやっていました。

 

ーーその時期のJUMPとファンはどんな感じだったんですか?

SUMMARYを2010年、2011年と続けていて、箱庭感が醸成されていました。コンサートツアーではJr.もバックにつかなくなっていって、JUMPだけの現場が増えていく中で、メンバーの絆の深まりも感じたし、狭い箱でファンだけが愛でるみたいな状態(笑)。ファンだけがJUMPを楽しめる、ほんとにお得意様だけのせまい空間にいく感覚が高まりました。

JUMPも毎日舞台に立ってるからだんだんダンスが揃っていったり、いま振り返ると下積み時代みたいでしたね。活動内容がJr.みたいな現場ばっかりだったかもしれない。

 

ーーファンから見て、その時期が今に生きているように思いますか?

やっぱりその時期の前までは、Hey! Say! JUMPの良さがなんですかというのが、なかったし……。今は、メンバーほぼみんな口をそろえて「仲の良さとダンスです」と言える。ダンスという大きな武器ができたのはすごい価値があったんじゃないかなと思っています。

 

ーージャニワとかSUMMARYとか、ジャニーズの伝統的なものに関わることの高まりは、ファンにはなかったんですか?

ジャニーズ伝統への高まりはあんまりないかな(笑)。SUMMARYはダンスを手に入れたことではすごく良かったけど、やっぱりファン的には「どこに向かってるんだ」って気持ちがすごく大きかった公演でもあって。NYCとかキスマイとかがTVに出てるときに、犬の芸を見せるとか、おじさんと空中ブランコをするとか、綱渡りを逆から歩くとか、それできるようになってどうなんの!?みたいな(笑)。初日を観に行った時も「こんな演目に何のメリットが……」と思ったんだけど、最後のあいさつでメンバーが次々泣き出して。練習が大変でプレッシャーが大きかったから、本番が終わってほっとして泣いてしまったみたいなんだけど、その時に、成果物とか結果だけじゃなくて「がんばってる姿」を愛する、それこそがアイドルファンの醍醐味なのかな、と思わせられました。

Hey! Say! JUMPの時代が来ている

ーーJUMPファンにとっての、先輩グループってどんな印象ですか?

デビューのときはからんだりしてたけど、その後先輩グループとの交流が少なくなっていったと本人たちも雑誌で言っていました。ドラマでの先輩との共演は『左目探偵EYE』『オルトロスの犬』『任侠ヘルパー』『37歳で医者になった僕』など、ちょこちょことあったのですが、2013年以降急激に増えていきました。24時間TVのドラマ(『今日の日はさようなら』)に嵐の大野(智)くんと山ちゃん(山田涼介)が出たりとか、(中島)裕翔がニノ(二宮和也)のドラマ(『弱くても勝てます』2014年)に出たり。最近は多いんですけど、今までほんとに先輩グループと関わってこなかったので、エピソードはこれからどんどん増えるかもしれませんね。

私がJUMPオンリーファンをフォローしてることが多いからか、この辺りの事情に詳しくなくて申し訳ないです…。ただ最近だとやっぱり嵐からJUMPに来る人は多い気がします。単純に嵐ファンの母数が多いっていう話かも。

 

ーーJUMPファンは、V6のこと知ってるんでしょうか……

メンバーの名前は知ってるでしょ(笑)。かけもちの方もいらっしゃると思いますが、24時間TV発表のときも、反応するほど詳しくないという人が多かったのかな、と思いました。それよりも、JUMPが24時間TV!?という驚きに 埋め尽くされていたので。光くんのファンの人は、光くんがやたら岡田くんと共演したいって言ってたから、よかったねという話にはなっていました。

 

ーー24時間TVはないと思ってた?

そうですね。もう!?みたいな。くるかな〜とさえ言ってなかった気がする。

 

ーーJUMPって、今きてるような気がするけど、ファン的にはどうなんです?

きてると思ってます。

 

ーーいつから?

2013年あたりから、先輩のバーターを中心にテレビの仕事を極端にいただくようになり……。わかりやすい例を出すと、2014年って、Hey! Say! JUMPの9人全員がドラマに出たんですよ。それって、マネジメント側がやろうと思わないとできないんじゃないかなと。全員出そうっていう目標がないと、なかなかね、できないことだと思うし。

そのころやっぱり楽曲にも恵まれて、Come on a my Houseに始まり、ウィークエンダーなど、ネットのジャニヲタの心をつかむ曲を出し、いろんなものがうまくまわりだしたんじゃないかなと。一般的な波は少しずつしかきてないだろうけど、ジャニヲタの中での存在感が増してきていると思いました。山田くんも2014年を「息をしていた1年」と表現してたんです(笑)。

ファンが持っていた、運営への不信感 

ーーJUMPはいろいろ自分たちでお仕事に関わったりしているんですか?

JUMPが最初に出たアルバムにはみんな関わっていて、光くんでいえば、1曲作詞、1曲Rap詞の作詞、1曲作詞作曲、と一番積極的に関わっていました。他のメンバーも作詞や編曲に関わったりと、みんな何か役割を持って、タンバリンってクレジットに名前が乗るメンバーもいたり(笑)。良く言えば「本人たちにやらせてる」だけど、大人はちゃんと考えてくれてるのかなぁと思うこともありました。

びっくりしたのは、コンサートMC時に山田くんが「これ本当に深い意味はないんですけど、今から言う3曲の中で一番好きな曲に拍手してください!何に使うとかじゃないんですが!」と言ってきたことがあって。何だったのかなと思ったら、割とすぐ新曲のカップリングが決定!拍手が大きい曲だったっていう(笑)。それくらい、ファンと一緒にHey! Say! JUMPをつくっていく、地下アイドルみたいな感じがありました。逆に言うと、大人がプロデュースしてくれてないんじゃないかという不信感もあった。

そう、運営に対する不信感は強くて、例えばSUMMARY2011では、その日の幕があかないと光くんが出演しているかどうかわからなかったんですよ。ドラマの撮影とダブルブッキングになっていた。

 

ーーそれは怖すぎる……。モンペ*8も多い?

多いですね(笑)。今は環境が良くなってそう思うことはほとんどなくなりましたが、これまでは、大人がちゃんとやってくれないという意識が強かったなぁSUMMARY2011の一件にしても、大人がちゃんとスケジューリングしなかったのに、あとあと雑誌とかで光くん本人が「全部出たかった」「僕のファンには土下座して謝りたい」「何でもやってあげたい」とか言っていると、「くそ運営〜〜!!なんで本人に謝らせるの?私たちが守らなきゃ!!」って、学級委員総会(笑)。

 

ーーなんでそんなことに……

大人の方にも言い分はあって、JUMPがあまりにも何も言わなかったと思うんですよ。2012年春にアジアコンサートをやるはずだったのが、延期や中止が相次いで、ある公演なんかは、1週間前に中止になったことがあって。メンバーはリハ中に呼ばれて「今度のツアーなんだけど、やらないことになったから」「じゃ、リハに戻って〜」と言われて、誰一人その場を動かなくて「なんでなんですか!」と説明を求めたらしいんです。それが、言うことを素直に聞いていただけのJUMPが、初めてちゃんと大人と話した、というエピソード。

今までJUMPって中学生もいて、今まで言われたことに「はい」と言うだけだったんじゃないかな、大人も、JUMPが何言っても「はい」って言うから、最低限の説明でいいというイメージがついていたんじゃないかなと、雑誌で語られていました

 

ーーでもそれはファンも怒りますよね

でも、ファンがよりいっそうかわいいって思うために、自分たちのストーリーを思い描いてたところもあったんじゃないかな。そうやって運営のせいにすることが、より本人を守ってあげたい、尊いって思うためのエッセンスみたいな。

 

ーー急にシビア!JUMPさんたちはそのエピソードをきっかけに変わったように感じますか?

関わり方が変わって来たとは思います。でも最初の内は、ペンライトも暗い部屋で光り方を見て皆で決めました!とか(笑)。わかってない部分はあるのかもしれないですよね。説明がなくて丸投げ状態だった以前とは違うんだろうなとは感じています。

コンサートの構成は、光くんは初期から任されていたのですが、最近は山田くんと二人で軸を作っています。山田くんは今回のツアーから衣装にも関わっていますね。

今は、マネージャーさんとこんなことした!っていうエピソードもかなり頻繁に出て来るようになりましたし、おい運営~!と思うことはほぼありません。これは地下アイドル時代のお話ということで……。

JUMPの変遷

ーー最近10代の男性タレントがブレイクしづらい気がするけどどうです?

それを私に聞かれてもなかなか答えは出ないと思いますが(笑)。個人的な考えで言えば、環境の問題として、嵐の一極集中みたいなところはあるんじゃないかなあ。若い子が若いグループではなく、30代のグループを好きになる選択肢も増えて。あと、若い女の子たちが、10代の女子アイドルにもいってるんじゃないかと、個人的には思ったりもします。

 

ーー山田涼介くんは若手俳優の中でも主演の数など頭一つ抜けてたのかなあと 

JUMPのセンターとして、ドラマ回数も多いですよね。ただバンバン出てるわけではないかなと思います。年に1回くらいかな。

 

ーーJUMPの恋愛事情に対するファンの反応とかって

JUMPは下ネタとかも今までほぼほぼ言わなかったので、ファンも処女崇拝みたいなところがあったかもしれません、処女崇拝というか、少女漫画の王子様というか。男性ファンが女性ファンに求めるものに似ているな、と女子アイドルが好きな私は思っていました。最近は、伊野尾くんが下ネタとか、そういうことを妄想させるようなギリギリの発言をするようになってきましたけどね。山田くんも貞操観念が強くて、ファンも全員本気でJUMPに恋してると思ってるような発言をしていて、山田くんがファンに求めてる分、ファンも山田くんに求めてるんじゃないかなと思うから、もしエースの山田くんに何かあったら大変なことになると思いますね……。

 

ーーコンサートの変遷などについてはいかがですか?

最初の方はすごくテーマを大切にしていたかな。2008〜2009年にやってたコンサートだと、TV番組という設定で、「"ジャンステ"という架空の番組の収録がはじまりま〜す!」というOPで、途中「中継でーす!」とコーナーが始まったり。そのあとも「JUMP天国」ってタイトルのRPG風コンサートで、ひとりひとり武器があって、光の国を目指すんですよ。最後に竜に乗って、Jr.と戦いながら光の水を取り戻す……。

 

ーーメルヘンダナ〜

他にも、今流行ってるものはなんだ、中学生のメンバーが「くまが流行っている」と言いだして、でっかいくまを追いかけていたら人形の国?おもちゃの国?に迷い込んじゃった!ってなったりとか、宇宙船設定だったりとか、2次元コンサートがずっと(笑)。2011年頃までそういうコンサートが続いてたんだけど、そのあとは震災があったから節電でセットも最小限になり、そこからぱたりとなくなりましたね。パフォーマンスを追求するグループになっていったこともあり、ひたすら歌とダンスを見せて行くコンサートに変わっていきました。

V6はTVタレント

ーーJUMP担から見て、V6に対する印象っていかがですか?

私はやっぱり中学生のときに「学校へ行こう!」を見てたし、好きなドラマの主題歌がV6だったりもあって、「V6=TVタレント」というイメージがすごいついてました。2008年にはじめてV6コン*9にいったとき、「TVの人だ〜!『本気がいっぱい』だ〜!」と興奮した(笑)。

そのコンサートを見たときに「Hey! Say! JUMPもV6を目指してほしいな」と思ったんですよね。パフォーマンスもすごくて、メンバーのバックをメンバーがやってくれたりして、代々木という場所をホームのように自在に使ってていて……。そのときのJUMPはJr.とごっちゃに出ていたから、V6のファンだけがV6のことだけを見ているコンサート、すごいなって。

JUMPもだんだんバックのJr.をつけなくなって、ある程度それに近しい環境になったかなと思うけど、これからもV6のようにパフォーマンスをすごく大切にして、ずっと歌ったり踊ったりしてくれたらいいなと思っています。だから24時間TVで共演してくれるのはすごく楽しみ。年齢も離れてるからどんな感じになるんだろう?って。JUMPも内弁慶というか、ガツガツはいかないので……。『百識』で共演していたイノッチと圭人あたりから、行ってくれればと思うんですけど。まずはV6の姿を見て、想像したい*10。勉強の機会と思ってます(笑)。

 

ーー24時間TVについては、どうとらえていますか?

顔を売る機会なのと、24時間TVをやったっていう実績がつくことが嬉しいです。どれだけ効果があるかわからないけど、見ようと思わなくてもTVをつけたらやってて、Hey! Say! JUMPってこういう番組やるんだ、くらいの大きい番組に出るのって本当にすごいと思う。

 

ーーいちファンとして、これからどんなJUMPになってほしいですか?

とうとうJUMPの順番が来たって思うから、仕事をとにかくたくさんやって、結果を出して、間違えずに、道を外すことなく国民的アイドルグループへの道を登ってほしいなって。何が売れるかわからない時代だけど……たとえば自分が会社の人とカラオケに行ったとき、JUMPの歌を自然に選んで歌ってくれる日が来たら、そんな実感が持てるのかな。

でもやっぱり時が経てば経つほど、成長のスピード感が遅くなるみたいなデメリットもある。TVに出てコンサートの数が減るとメンバーが会う機会が少なくなっていくし、メンバーの友情もピークが過ぎていくのかもしれないと思うと寂しさはあります。

 

ーー形が変わることに対しての複雑な思いが

そうですね。本当に今までのJUMPは会いに行けるアイドルで、目の前のファンの願いを叶えてた。これからは、TVタレントのJUMPの時代が始まります。私はアイドル自体が好きだから、「自分のやりたいこと」より、「ファンの望むこと」をやってくれるアイドルが好きで、その好みに沿っていたJUMPのファンになったんです。そういう意味では、やっぱり寂しい。でも今は、アイドルという大きなくくりや概念よりもHey! Say! JUMPという1つのグループが好き。だから、JUMPがどんな形になろうが、こっちが合わせて、私が好みやファンとしての形を変えて、ついていきたいと思います。

感想

千紘さんとは出会って8年?いろいろな話をしてきたと思ってたけど、他のグループの事情など、知らないことが多くてとても面白かったです。しかしこれほんとお前誰だよ感大丈夫ですかね……!?

ちなみに千紘さんについては、こちらでもインタビューされてるので、あわせて読むとかなり千紘担になれるかもしれません*11

 

jw.hatenablog.jp

 

・私が聞かれた方はこちらでした

kagekina-replica.hatenablog.com

*1:クラフトの袋に自分の好きなアイドルの切り抜きのコピーを貼りまくる、コンサート会場でよく見た痛バッグ的なもの。最近見かけないですね

*2:文字が連続した4枚のうちわ。最近は進化して、人と被らない4文字を持つ文化となっているため、コピーの著作権を主張している若いファンがたくさんいる

*3:ファンサービス厨。アイドルに見つけてもらい、手を振ってもらったりかまってもらったりすることに命をかけている人たち

*4:「担当はタレントに似る」ことを略した言葉。「ペットは飼い主に似る」的な話

*5:ファンが議論すること

*6:2010年、2011年のコンサートショー『SUMMARY』で毎回サーカスの技を披露していた

*7:Hey! Say! JUMPの山田涼介、知念侑李、さらに現在ソロで活躍する中山優馬の3人で組んだユニット

*8:モンスターペアレンツ的なファン

*9:『VIBES』コン

*10:話を聞いたのが6月だった

*11:話きいてみて思ったけど、取材を受けるのがやたらうまい千紘